『テルマエ戦記』


テルマエ戦記

テルマエ戦記


テルマエ・ロマエ』で一世風靡したヤマザキマリさんのエッセイ、というかこれはおそらくブログ本だと思う。『テルマエ・ロマエ』が大人気になってアニメ化映画化されていくのを時系列ごとにまとめた作りになっている。見所は『VICTORIA』という短編漫画が収録されているところと、前書きと後書き。


昨日、取り上げた佐藤秀峰さんの『漫画貧乏』と読み比べてみると面白いかもしれない。大ヒット作品を飛ばして作者でさえ作品をコントロールできなくなって、世界中を行ったり来たりする大変な状況に置かれているのに、語られているところはカラッと爽やかだったりする。これはたぶん、ヤマサキマリさんが「人間至るところ青山あり」を地で行くような生き方をしているからだと思う。


もちろん、佐藤秀峰さんとヤマサキマリさんとでは置かれている立場も事情も全然違う(佐藤秀峰さんの漫画のクオリティと、ヤマサキマリさんの漫画のクオリティは比べるまでもない)だろうけれど、同じ漫画家でもちょっとした位置が違えば生き方も全然違うんだなぁと思った。この二冊の本を読んで思うのは、世界で生きていけるくらいのパワーがあれば、「大変大変」と言いながら楽しい人生が送れそうだということかな。