『キュレーションの時代』

個人的に大注目のITジャーナリストが書いた新書。
キュレーションの時代、というのはつまり「目利きの時代」ということ。安土桃山時代に朝鮮の日用品だった井戸茶碗を珍重して、莫大な価値を生み出した利休のような感じ、と言えば分かり易いのかなぁ。それがSNSの発達によって、ビジネスのあらゆる階層部分で発生するという話が膨大なエピソードを元に語られる。でも、ちょっと美術方面の話が多いような気がした。作者の本分はITにこそあるわけだから、もっとそちら方面の面白いエピソードを詰め込んでいけば面白かったのに。