『道士郎でござる』

無茶苦茶面白い。これはもしかしたらヤンキー版の『よつばと！』ではないだろうか？

道士郎でござる 8 (少年サンデーコミックス)

西森博之という人は「無敵の人」を描くのが上手くて、『道士郎でござる』はそれが極限にまで行ってしまった作品だと思う。現代に（ネバダ出身の）武士が現れて、不良やヤクザを殴り倒しまくるという内容は、「強さのインフレ」を「無敵の人」が無効化してしまうがために発展性がなくなってしまい（８巻という短さで）終了してしまったのだと思う。西森博之が描くキャラクターはある程度類型化できるけれども、惜しむらくは「武士」キャラに匹敵するようなキャラクターを作り出す事ができなかった。
でも、ギャグマンガとしては傑作の部類に入る。池内いいよ池内。タトゥーギャングと喧嘩をする前に、自警団路線を追求していけばもっと面白かったかもしれない。あと、大金持ちが登場するとか。
現在連載中の『お茶にごす』も「無敵の人」を描いているけれども、無敵度合いが若干弱まっているところに注目したい。