『江戸の博物学者たち』

本草学に興味があったので購入。本草学というのは、博物学みたいなもの(←本書ではちょっと違うと書いていますが)で、有名どころといえば貝原益兼とか平賀源内とか。平賀源内の肩書きは『本草学者』なんですね。エレキテルとか土用の丑の日とかを考えた、得体の知れない科学者(?)ではありません。本草学は薬となるものを集めることを目的としていて、そのために方々を旅して物産を求めます。土地土地の言葉の違いを重要視するのは、薬の用法を間違えないためで、日本全国の草花からオランダの薔薇水まで本草学は地上の果てまで視野を広げていました。が、やはり学問的な性能の面で、西洋の博物学に負けてしまったのかなと。

江戸の博物学者たち (講談社学術文庫)

江戸の博物学者たち (講談社学術文庫)

で、本書についてですが、ひたすら読みにくいです。作者の方には、読みやすい文章と現代語訳の二つをもって、本草学について解りやすく書いてほしかった。勉強のための本と言えるかもしれません。