今日はアカデミー賞授賞式

大波乱のアカデミー賞でしたが、それは作品賞は、ということで結果を見ると順当だったなぁというのが僕の感想です。まずは作品賞に『クラッシュ』が選ばれました。これは予想外といえば予想外。巷の下馬評では『ブロークバック・マウンテン』が取るのではないかと、まことしやかに囁かれていましたが、やはり同性愛映画(しかもカウボーイの)という題材が、アカデミーの良識派に嫌われたのか、作品賞を逃す結果になりました。で、『クラッシュ』は人種差別がテーマの映画らしいですが、まあノミネート作品を見渡すと、一番無難なところに落ち着いたような気がします。
監督賞アン・リー、これは順当でしょう。『ブロークバック・マウンテン』の監督です。アカデミー賞としては作品賞はやれないけれども、監督としての手腕には敬意を表するということでしょうか。アン・リーといえば文芸作品を得意とし、『グリーン・ディスティニー』で中国の武侠小説の世界を映像化したにもかかわらず、『ハルク』を映像化して大コケしたために干されそうになった人なのですが、何はともあれ面目躍如でしょう。
主演男優賞には鉄板中の鉄板と呼ばれたフィリップ・シーモア・ホフマンが! 各賞総なめの名演技を披露してくれたので、これは満場一致ということでしょうか。出演作『カポーティ』で、ゲイの小説家トルーマン・カポーティを熱演。「もうただのデブとは呼ばせないぞ!」と壇上で喜びを振りまいていました。『カポーティ』は僕がとても見たい作品なので、今からとても楽しみです。
助演男優賞には『シリアナ』で身の毛もよだつデ・ニーロアプローチを見せて、中年CIA職員を熱演したジョージ・クルーニー兄貴が獲りました。アカデミー賞を獲るならまず太れ、という警句を守り、さらに撮影中の事故で大怪我を負うというアクシデントにもめげず、助演男優賞を受賞。本人はレッドカーペットでは「何も獲れないよ〜」みたいな意味のことを言っていましたが、素晴らしい一日になったようです。今年はクルーニーの年なのか? とりあえず、おめでとう!
さらに、個人的には主演男優賞にも匹敵する鉄板中の鉄板だった長編アニメ賞に、『ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!』が選ばれています。『ハウルの動く城』はちょっと相手が悪すぎました。なぜなら、アカデミー会員はウォレスとグルミットが大好きだから。シリーズで過去二度受賞の実績があれば、やはり長編アニメ賞も与えざるを得ないでしょう。ティム・バートンの『コープス・ブライド』も残念でした。とにかく今年は相手が悪すぎたとしか。
総じて観ると、番狂わせは少なかったですが、一番の番狂わせが一番インパクトあったなというところです。アカデミー賞は本当に楽しいですねw