『レズビアン・ヴァンパイア・キラーズ』

スカパーで鑑賞。


レズビアン・ヴァンパイア・キラーズ [DVD]

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【ストーリー】
失恋を癒すためにハイキングに行った男2人が、レズビアンのヴァンパイアに襲われる。



【見所】
レズビアンでヴァンパイア!
という夢の組み合わせ。
他になにか要りますか?


【感想】
今年観た映画では指折りに頭が悪い作品だけれど、思ったよりも面白かった!


原題も『レズビアン・ヴァンパイア・キラーズ』で、どこのアルバトロス映画だと思いながら観ていたのだけれど、意外にしっかりとした作りで、ホラーコメディとしても面白かった。イギリス映画らしい、ボンクラ2人が事件に巻き込まれる系のストーリーは、皮肉が効いていてモンティ・パイソンを生んだ国の映画だなぁと。


昔々、レズビアンの吸血鬼カミーラが、イギリスのとある村で悪さを働いていたが、妻を寝取られた十字軍帰りの騎士が、吸血鬼殺しの剣でカミーラを殺す。だが、カミーラの呪いによって、その村では18歳になった娘は例外なくレズビアン・ヴァンパイアになるのだった、という中二病テイスト満載なプロローグから、時代は現代に移って、騎士の子孫とその友達が、失恋の痛みを癒すためにハイキングに出かけることで、レズビアン・ヴァンパイアに襲われる。


ホラー映画としての怖い部分は全くない。だいたい、この映画を観たい人たちは、セクシーな女の子たちのきゃっきゃウフフなダンスパーティーや、レズビアン・ヴァンパイアがちゅっちゅしているのを観たいはずで、そういう欲望をちゃんと描いてくれている。でも、裸は出るけれども、セックスまではいかないのよね。ちゃんと処女は生き残るようになっているのも、ホラー映画的な文脈として正しい。


ギャグはかなりテンポがいいので、普通に笑えるものになっている。村の酒場に入ったときの「ここは中世のゲイ・バーか?」というセリフや、カミーラを殺す伝説の聖剣が、持ち手の部分が男性器というの笑った。主役の男2人(と、神父)の掛け合いが面白いので、題名で感じる「どうせレズとエロ以外は期待できないでしょ?」という面白さのハードルの低さを軽々と超えることができた。ヒロインの女の子も角度によっては可愛いし。


個人的には、主要女性キャラのほとんどがヴァンパイアになるのだけれど、カミーラが死んだあとのフォローがなにもないのが残念だった。主人公の元カノのビッチ女とかも、なんの捻りもなくヴァンパイアになって斧で頭を叩き割られてしまうし。ほとんど主人公たちが殺したのだろうけれど、少しは言及するかなにかあってもよかったかな。吸血鬼から人間に戻ってもレズビアンなままというオチは良かったかな。神父の娘が吸血鬼になったのは、「処女じゃない娘は18歳になればレズビアン・ヴァンパイアになる」としたほうが、より笑えたと思う。


安っぽい題名の映画だけれど、撮影もきちんとしていて、ちゃんと狙ってチープな感じを出しているのが良かった。監督は名のある人ではないみたいだけれど、ちゃんと仕事はしている。そして、こういう拾い物の映画を見ることができるのが、スカパーでの映画鑑賞の醍醐味だなぁと思った。