『プラダを着た悪魔』

テレビで鑑賞。



【ストーリー】
大学を卒業したばかりの女性がファッション誌の世界で成長する。


【見所】
アン・ハサウェイ
はぁ……見惚れちゃう。


【感想】
先週が『パラダイス・キス』で、今週が『プラダを着た悪魔』という、2週連続でファッション映画で、女性の成長を描いている映画でもあるのだけれど、テイストは真逆だなぁと感じた。つまり、決意によって道が開ける『パラダイス・キス』と、仕事によって道が開ける『プラダを着た悪魔』の違い。これは、ファッション業界についての理解と、世界レベルのファッション業界についての理解の両方の差だろうと思う。


この映画、見ていて思ったのは「課長島耕作に似ている!」ってことだった。無茶なミッションに挑み、仕事とプライベートの間で悩むところとか。『プラダを着た悪魔』の場合は、それが幾らなんでもというレベルなのが酷くて笑える。ハリーポッターの出版されていない最新刊とか、手に入れろなんて言われても僕ではお手上げです。一応原作があって、作者の実体験を元にしているらしいのだけれど、映画の一割くらいの事実でも嫌だなぁ。


監督はデヴィッド・フランケルという人。この、ちょっとさじ加減を間違えると悪趣味にしかならない話を、ほんのり感動させられる作品に仕上げた手腕はすごいと思う。この監督の他の作品は見たことがないけれども、ハリウッドの人材の豊富さはさすがの一言。アン・ハサウェイのファッションショーとしての映画の描き方も素晴らしかった。


出演者はみんな良かった。特にアン・ハサウェイメリル・ストリープに負けない、前向きなキャラクターを演じ切っていると思う。最初から輝いているというのは、『パラダイス・キス』の北川景子と同じだったけれども。決意をしたら、あとはどうにでもなった北川景子と違って、仕事に振り回されて、最後に決意をしたアン・ハサウェイのほうが、清々しさを感じてしまうのは、物語の描き方が違うからだと思う。


題名がちょっとどうかな〜と思って毛嫌いしてしまいそうだけれど、男が観ても満足度が高い作品だと思う。栄光に対するものの見方についても、ちょっと考えさせてくれる終わり方も良かったし。