『バイオハザード3』

テレビで鑑賞。


【ストーリー】
ゾンビによって荒廃した世界で、アリスが旅をする。


【見所】
あれ? バイオハザードだと思ったけれど、これ『マッドドッグス2』じゃん。
と途中で思うところ。
でも、「ロックンローラーのアヤトラ」がマッドサイエンティストになってしまって締まらん話に。



【感想】
まあまあ面白かった。


大人気テレビゲームの劇場版で、1と2に比べるとオリジナル要素が強い……と思う(『バイオハザード』って2以降はやってないので)。監督はラッセル・マルケイで、この人の名前ってどっかで聞いたことがあるなぁと思ったら、『ハイランダー』シリーズの監督だった。なんというか、A級とB級の狭間くらいのSF映画を多く作っているイメージ。ポール・W・S・アンダーソンは、脚本と製作に回っている。


バイオハザード3』は世界文明崩壊後の世界を描いている。そのストーリーの元ネタはまんま『マッドマックス2』だと思う。暴走族がゾンビとアンブレラ社になっただけで、砂漠を爆走するタンクローリーとか、安住の地を求めるところとか、そのまんま。でも、そこにバイオハザード的な世界観は意外に相性が良かったな〜というのが、僕の鑑賞後の感想だったりする。


前作以降、アリスは超人になってしまったので、物語的なスリルはいかに仲間が死んでいくかに照準が絞られている。それは経験豊かなラッセル・マルケイが監督しているからなのか、標準以上の出来になっていると思う。ゾンビものに良くある「噛まれても黙っている男」とか、ベタなんだけれど有りだと思うし、勝気な女リーダーがショットガンでゾンビを撃つところとかも、マッドマックス的な世界観にマッチしている。


ただ、アリスが超人になってしまったので、敵が弱すぎるのは問題だなぁと思った。ゾンビはだいたいボーリングのピンのように殺されるものなんだけれども、ラスボスのアイザックスなんか、ちょっとビジュアル的にもショボすぎて、アリスが負ける図が思い浮かばなかったし。


良かったのは、1を踏襲したようなオープニング。ここの、アリスがあっさり死んでから、クローンが何十人と死んでいるビジュアルまでは、ハッタリが効いていてとても良かった。でも、そこから『マッドマックス2』に話が行ってしまうので、急に世界観がショボくなってしまうのよね。あと、ラスベガスのコンテナに入っている強化ゾンビが、どんだけ詰め込まれているんだってくらい出てくるのは笑った。


シリーズものなので、後に続く終わりかたをしているのだけれど、いよいよ収拾がつかない方向に向かいつつある。ポール・W・S・アンダーソンは、ポール・トーマス・アンダーソンとの比較で、「ポール・ダメなほうの・アンダーソン」って言われているが、そう言われるのも無理はないかなと苦笑してしまった。