文学フリマ

夜行バスで帰ってくたくたになってぐだーと寝た一日が終わりつつあるので、大阪観光と、大阪で開催された文学フリマについて書きます。


文学フリマに遊びに行くのは今回で2回目。青砥十さんが『後輩書記シリーズ』でブースを出すようになったので、良い機会なので行けるなら行くことにしている。といっても、九州に住んでいるので東京に行くのも大阪に行くのも、同じくらい大変なわけで、東京の場合は飛行機、大阪の場合は新幹線か夜行バスということになる。今回は旅費をけちりたかったので夜行バスで大阪に行った。夜行バスに乗るのは10年ぶりくらいだけれども、正直、好んで乗るものではないな〜と思った。若さがあれば別だけれども。


12日の夜に北九州発のバスに乗って、13日の朝に到着。丁度、早朝に淡路島の地震の警報があって起こされる。北九州はほとんど地震がない地域で、緊急地震速報の音もこのときはじめて聴いた。揺れは感じなかったし、大阪についてからも電車のダイヤは混乱していたものの、それ以外は落ち着いたものだった。文学フリマは14日に開催されるのだけれど、前日入りしたのは青砥さんたちと飲む約束をしていたから。それと、良い機会だから大阪の街を散策してみたいという気持ちもあった。


大阪へは仕事で何度も行ったけれども、観光をしたことは一度もなかった。なので、ベタなんだけれども大阪城に行くことにした。朝7時から天気が良かったので、新大阪から大阪城まで歩いていくことに。かなり距離があったけれども、気候が良かったのであまり苦もなく大阪城まで歩けたと思う。


大阪城豊臣秀吉の居城(と言っても、今見えるのは徳川時代のもので、天守閣に到っては最近のものらしい)だっただけあってとにかく巨大だった。丁度、大阪の陣400年を記念した幟が並んでいて、あの当時の合戦がどんなものだったのか思いを馳せた。徳川軍が15万〜20万もの軍勢で攻め寄せなければならなかったのも理解できる。あと、外国人観光客がたくさんいて、特に韓国人の観光客はどういう思いで大阪城を観ているのかなぁと気になった。特に深い考えはないと思うけれども。



大阪城へは天守閣まで上った。印象としては、大手門や天守閣の周囲の門や石垣、櫓などはとても良かったけれども、天守閣は無粋な建築物に感じられた。あの、障害者用のガラスのエレベーターの存在から、安っぽい花壇、古いパネル、いろいろとガッカリな部分が多かった。でも、大手門や巨石が並ぶ石垣はとても良かった。天守閣もどうせ新しいのだから造り直せばいいのに、と思いつつ、次の予定地である大阪市歴史博物館へ。


僕は学芸員をしているので、やっぱり博物館や美術館に、あれば行くことにしている。展示の工夫やヒントが発見できるし、普通に見て回るのも楽しいからだ。で、大阪市歴史博物館は、大阪城のすぐ横、NHKの建物に隣接して建っていて、外見からは博物館っぽさがまるでない建物だった。でも、展示は難波の宮や、昭和初期の大阪の再現などがされていて、さらにインタラクティブな装置もたくさんあって面白かった。丁度、僕が行ったときに、学芸員によるギャラリートークがおこなわれていて、常設展示や特別展示の解説を聞くことができた。毎週土日にしているようで、こういうのをやりつづけることに意味があるのだと思う。


ちょっと残念だったのは企画展が20日からだったこと。『幽霊・妖怪画大全集』という面白そうな企画だっただけにタイミングが悪かった。でも、博物館の入口に「YKI48総選挙」と銘打った妖怪画の人気投票や、顔の部分を刳り貫いた記念撮影用パネルなんかがあって、面白い試みだなぁと思った。最初は一通り観るだけだったのが、最終的にはかなり大満足して、得るものも多く博物館を出た。



その後、歩いて心斎橋まで行って、最近できたばかりの北欧100円ショップ「タイガー」で買い物をしようとして……できなかった。というのも、人が多すぎ! オープンしたての頃に、人が多すぎて品切れになって休業したというニュースがあったけれども、僕が行ったときもとんでもない人混みだった。タイガーくらいの雑貨店なら、ホームセンターやデパートくらいの売り場面積があってしかるべきだと思う。たぶん、需要を大幅に読み間違えてしまった結果なんだろう。このときはあまりの混雑ぶりに、何も購入せずに外に出た。文学フリマの後にも時間があるし、土曜日よりも日曜日のほうが少ないかもね……と考えたからなんだけれど、実際はそんなこともなかった。


で、新大阪近くのチサンホテルに戻ってチェックインしたあと、再び心斎橋に行って青砥さんと合流。割烹着の店員さんがいる店「わのつぎ」でオフ会をした。参加者は、青砥さん、茶林さん、中嶋さん、幽明さん、春名さん、僕の6人だった。最後はお酒の飲み過ぎでグダグダになったけれども、楽しい一時だったと思う。夜の心斎橋に消えた青砥さんを追わずに、僕はそのまま地下鉄でホテルまで戻って就寝。夜行バスと、大阪散策の疲れで、携帯電話を充電せずに眠ってしまった。


次の日は、目が醒めたら10時で、とりあえずチェックアウトして文学フリマに。たくさんの人で賑わっている中、タイガーで鍛えられた僕はすいすいと会場を歩いていく。ツイッターなどで名前は知っている人と挨拶をして、気になった本を購入していった。今回は軍資金も少なかったので、購入品目を絞ったものの、まずまず良い買い物ができたと思う。東京のときよりも規模は小さい(会場が小さいから)ものの、その分、密度は高いように感じられた。


2時間くらいで目的も果たしてしまったので、心斎橋のタイガーへリベンジしに行って、1時間ほど行列に並んで雑貨を3000円分購入。そして新大阪で夜行バスに乗って、今日の朝に北九州に戻ってきた。とりあえず泥のように眠って、目が醒めたら僕の働いている場所の近くで手榴弾騒ぎがあって、微妙な気分になった。


……という感じです。文学フリマで購入した本は、「文学フリマ」タグで感想を書いていこうと思います。前回のとかも含めて。最初からそうすれば良かったんや! というのは置いといて、暇人の暇な感想書きをはじめたいと思います。