『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』

テレビで鑑賞。観るのははじめて。



【ストーリー】
元レンジャーの4人組が暴れる。
第一幕:オープニング〜ヘリの撃墜
第二幕:イラク〜ソーサとの取引の電話まで
第三幕:ロサンゼルス港へ〜ラスト


【見所】
バカアクション
でも、割り切っているから清々しくて面白い。


【感想】
『ザ・グレイ 凍える太陽』のジョー・カナハンが監督した映画なんだよねぇ。リーアム・ニーソンハンニバル役で出ているけれどもテイストは全然違う。


昔、テレビであった『特攻野郎Aチーム』のリメイク劇場版。僕はちょうどAチームが放送されていた世代ど真ん中だったので、あのテーマ曲が流れるだけでテンションが上がる。テレビのAチームはかなり軽妙な話だったように記憶しているけれども、あまりエピソードとかは覚えていなくて、それよりもAチームの掛け合いばかり覚えている。今回の映画は、そういう意味では元のAチームのテイストを良く継承した作品だな〜と思った。


ストーリーはあってないようなもの。Aチームの面々が暴れるのに理由をつけたようなもので、ドル紙幣の原盤がどうとか、敵が誰なのかというところは、正直言ってどうでもいい感じだった。「悪い奴がいて、Aチームがそいつらと戦うために無茶な作戦を立てる」という原則を守っているので、あんまりなにも考えずにすむ。派手にやって、大勝利! それでいいじゃんというメソッドが徹底されている。


日曜夜の映画というと、僕には無茶な編集とCM前後に繰り返されるシーンという、いただけない要素が多分にあって身構えてしまうが、今回はそれがほとんどなかったように思えたのは評価高い。観ている人間もバカじゃないんだから、CM前後にシーンを繰り返すとか、止めて正解だと思う。どうせ中身はない映画なんだし。


とにかくこの映画は「大味バカ映画」のジャンルに入る。前半はリメイク作の基本をきっちり踏襲して、これが「大味バカ映画」であることを全力でアピールしている。でも、珍しいのは、中盤以降のストーリーがグングン面白くなるというところ。この映画、中だるみがないんだよね。特に、戦車の空中戦というバカ映像のあと色々あって、ブラックフォレスト(これってブラックウォーター社が元ネタだよね)のパイクが、CIAのリンチに連れられて車の中で殺す殺さないの話をするところは最高だった。なんというか、こういうバカ映画なのに悪役にも味があっていい。ちゃんとした映画作りをしているな〜と感じさせる部分は多岐に感じられた。


Aチームの面々も、ちゃんとキャラクターが描き分けられていて良かった。「軍人」「ヒーロー」「サイコ」「黒人」というアホでも分かる色分け。徹底して映画の観客を「考えない」ことに注力している。この頃のリーアム・ニーソンは本当に仕事を選ばないし、動ける初老の男なんだよね。『96時間』では鬼のように強いし。あと、個人的には最後のオチがとても良かった。最初に伏線があって、中盤にも伏線があるという小気味の良さ。そして最後にキメセリフ。


日曜日の夜にテレビで観る映画としては最高!


これは誰にも反論できないはず。