2012年映画ランキング!

というわけで、2012年に観た映画のランキングを発表します!
ちなみに、映画館で今年公開された映画という括りで。今年は前半がヒマなオッサンだったので、映画館に入り浸っていたので、なかなか充実したランキングになっているのではないかな〜と。そういうわけで、10位からカウント〜ダウン!

10位:ホビット はじまりの冒険
ドカ盛りピーター・ジャクソン映画は観るのが本当に疲れるぜ〜と思いつつ、やっぱり中つ国の世界に入れると思えば観てしまうのは当然のことではないかと思うわけですよ! ドワーフをあんなに格好良く描けるのはピーター・ジャクソンだけか。ゴクリとかフロドとか、ガラドリエルとかサルマンとか、見せたいものを全部見せる大サービス。そういえば、サルマン役のクリストファー・リーピーター・ジャクソンと仲直りしたんだねぇ。迫り来るオークの騎馬軍団、ゴブリンの大軍勢、戦力的に微妙なドワーフたち! なんだかんだで必見の作品ではあったと思う。


9位:アベンジャーズ
すげー。ちゃんとまとまっている!!
というだけで評価できる作品。あの濃い面々と、ソーという場違いキャラをどうやって一つの画面に押し込めるのかと思ったら、ちゃんと納得のまとまり具合になっていました。ブラック・ウイドウとホーク・アイにストーリーの焦点を絞って、他のスーパーヒーローは(ちょちょっと処理して)暴れるだけを魅せる、という割り切りが功を奏したのか。「日本よ、これが映画だ」というのは誇大広告だと思うものの、「日本よ、これがストーリーテリングだ」くらいは言ってもいいと思うよね、実際。


8位:テルマエ・ロマエ
すげー。ちゃんとローマしてる!
というだけで評価できる作品。物語的には僕は「どうかな〜」と思うところもあるけれども、ちゃんとチネチッタの撮影スタジオを借りて撮影したところは「偉い!」の一言だと思う。確かに、アメリカのテレビドラマのセットを借りることができたという運の良さがあったのだろうけれども、それを含めてプロデューサーの能力が活かされた作品ではないだろうか。ちゃんと笑えるシーンもあったし、誰が観ても楽しめる良質な映画だと思う。今年の日本映画(実写版)はやっぱりこれに尽きるかな〜。


7位:シャーロック・ホームズ シャドウゲーム
ガイ・リッチーが好きなんだよね〜。シャーロック・ホームズも好きなんだよね〜。ということで7位。モリアーティ教授との対決を描いた話で、19世紀末から20世紀に移りゆく時代を描いている。色々と不満に思う部分はあるけれども、面白い部分が沢山あったからこの順位ということで。モリアーティ教授が不気味で良かったとか、ホームズが乗った子馬が可愛かったとか、ラストシーンが気が利いていて良かったとか、ホームズとワトソンのホモ描写が露骨になっているとか、良い方向を観ての順位。ちゃんと推理をするところは推理していたしね。


6位:おおかみこどもの雨と雪
僕はアニメ映画をほとんど観ないのだけれども、やっぱり細田守ブランドが構築されつつある今、どうしても観てしまうよね〜。で、やっぱりとても優れた映画だったけれども、この物語はセックスがストーリーを下支えしていて、それが観ていて「これでいいのか?」という気持ちにさせられた、ところが良かった。普通に観ると、とっても感動させられる物語なんだけれどね。あと、やっぱり物語構造というものを相当意識して映画を作っているのではないかな〜と感じられた。食事という一点をとっても、かなり計算された作りになっていて面白い。


5位:ザ・レイド
シラットやべー!
というだけで5位! どんくらい凄いかというと、マッドドッグという登場人物がいまして、こいつが「強烈なパンチとキックを持っている」と冒頭に説明があるのですが、本人はちょっと小柄なチンピラっぽい風貌で「迫力不足かな?」と思ったら、お前は呂布か、というくらいの大暴れを見せてくれる。殴りまくり、蹴りまくり、殺人技の応酬に、こんなの日本では作れないよな〜と思ってしまった。しかも、この映画ってハリウッド映画じゃなくてインドネシア映画なんだよね〜低予算の。話は犯罪王が立てこもるビルを強襲した警官隊が地獄を見る、というものなんだけれども、インドネシアの怖い人たちが山ほど観ることができて、それだけでも大満足だった。鉈を持った人たちとか、本当に怖い。


4位:ドライヴ
ニコラス・ウィンディング・レフンやばい!
ロサンゼルスで昼はカースタントマン、夜は強盗の逃がし屋をやっている男が、のっぴきならない事態に巻き込まれて、血みどろの戦いに身を投じる……という話。とにかく陶酔というのはこういうことを言うんだ! というお手本のような画作り。淡々と、そしてスリリングに進んでいく冒頭の逃走シーン。中盤からの、主人公が凶暴な本性を露わにしていくシーン。そして、車を運転している場面の美しさ。あらゆる意味で完成度が高い。なんというか、こういう映画が通用するというのが嬉しいし、色々な方面で影響を及ぼすのではないかな〜と思った。


3位:007 スカイフォール
アクション映画の中ではこの作品が最強だった。とにかく、サム・メンデスという一流監督がメガホンを取ると、007でもこんだけ面白くなるのか! というくらいの素晴らしさ。冒頭の列車を舞台にしたアクションから、アデルが歌うオープニングテーマ曲! そして、ストーリーを暗示する映像の数々にノックアウト! それから上海、マカオ軍艦島(っぽい島)を移動するのだけれども、その画がもう良すぎてたまらんかった。前半だけで4回くらいノックアウトされまくりました。あと、何気に音楽も良くて、一番最初に「ジャカジャン!」と音が鳴ったり、ボンドとMがアストンマーチン(!)に乗る場面で鳴るおなじみの音楽。悪役シウバの不気味さも良ければ、今回から新しくなったQのキャラも良かった。終盤はもうちょっと……という感じがあったけれども、不動の3位。


2位:アルゴ
僕の友達そっくりなマット・デイモンが、イラン革命下でカナダ大使の家に逃げ込んだアメリカ人を救出するために、ハリウッドのSF映画をでっち上げるという映画。これだけ聞くとなんのことやら、と思ってしまうけれども、ちゃんと荒唐無稽な作戦でも実行するんだというロジックが積み重なり、ばれる〜! というギリギリのところで頑張るストーリーがとても良かった。手に汗握る、という意味では今年1番。子供にシュレッダーのジグソーパズルをさせるイラン怖いわ〜とか、ハリウッドの底抜け具合がとんでもなかったり、最後の空港のシーンは本当に緊張の連続でまいった。マット・デイモンは凄い監督になったと思う。

同率2位:ファミリーツリー
シド最高!
というだけでファミリーツリーが2位。アレクサンダー・ペインの新作映画となったら、やっぱり観に行くよね〜。アレクサンダー・ペインという監督さんは人間の描き方が本当に上手くて、『ファミリーツリー』でも最初は「なんだこいつ?」という感じのシドや、ルックスがあんまり可愛くない娘たちも、観ていると本当に親しみを感じてしまうところが凄い。ジョージ・クルーニーは情けないけれども、最後に重大な決断をする父親役がはまっているし、ハワイの空気が嫌なことをすべて洗い流してくれるようなところもとても良かった。この「嫌なことをすべて洗い流してくれる」ところが、良くもあり、悪くもあり、という描かれ方なのもなかなかできることではない。ドラマを観た! という気持ちにさせてくれた。


1位:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
ザ・泣き映画
911直後のニューヨークを舞台に、ちょっとエキセントリックな少年が、死んだ父親の残した鍵の意味を探すために街中を駆け巡る。まあ、なんというか、観ているだけで3回くらい泣いてしまいました。この映画は911後のアメリカの喪失感を、イエス・キリストが死んだあとの信者(特にペトロ)の物語になぞらえていて、それが超強力な泣かせ装置になっていると思います。中盤の声が出せない老人に少年が告白する場面や、母親との和解のシーン、そして、ラストの少年が作った本の中で上昇する父親のトリック絵なんか、今思い出すだけでも涙腺が……本当に、2度と観たくはないのですが、これほど印象に残った映画はありませんでした。日本映画もこれくらいの意気込みで、泣きを演出してほしいものだ、と思いました。

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というわけで!
今日は『レ・ミゼラブル』を観ようかと思ったのですが、寒くて家の外に出ることができませんでした。10位位下は、『バトルシップ』>『逆転裁判』>『ダークナイトライジング』>『ドラゴンタトゥーの女』……という感じです。思ったより劇場で観ていないかも(^_^;) 来年はもっと頑張りたいです。


ちなみに、今年観た映画の最低(テレビで観たのを含む)は、
阪急電車』です!
最低最悪極悪非道。ゲロ以下の臭いがプンプンします。思い出しただけでも吐き気がする映画でした。