『007 慰めの報酬』

テレビで鑑賞。



【ストーリー】
謎の犯罪組織の計画をボンドが阻止する。
第一幕:オープニング〜裏切り者を殺害
第二幕:カミーユとの出会い〜Mとの再開まで
第三幕:敵の本拠地に潜入〜ラストまで


【感想】
ダニエル・クレイグ主演のリアル志向の007の2作目。


謎の犯罪組織が計画するボリビアでの水利権の独占に、前作で恋人が殺されたボンドが戦いを挑む……というもの。序盤のカーチェイスは007っぽいが、全般的に描写は地味目。これを観ると、何でもかんでもリアルっぽくしても良いわけではないなぁと思った。


とにかく、今回の話は展開されるスケールが地味。敵が何を企んでいるのかをボンドが探るものの、それが水利権の独占というショボさ。かつては核ミサイル強奪とか、第三次世界大戦とかいろいろあったのに。でも、それは別にリアル志向だから、それでもいいと思う(イアン・フレミングの原作も大概地味だし)。それが、リアルにしすぎたために、楽しさも小ぢんまりしたものになったのはいただけなかった。


悪役も含めて、とにかく魅力的な登場人物が少ないんだなぁ。今回の悪役のグリーンも、小悪党でしかないし。


そう考えると、色々と言いたいことはあるけれど、『スカイフォール』はまだ映像美とけれん味で押し通してくれるだけ、007ぽい映画だったと言える。一流の映画監督(サム・メンデス)と、普通の映画監督(マーク・フォスター)の差が出てきたなぁ。マーク・フォスターの代表作は『チョコレート』だけれど、ちょっとミスマッチだったかなと思う。


石油まみれの女の死体は『ゴールドフィンガー』のオマージュ。話を難しくこねくり回し過ぎ、というのが僕の感想。