『ザ・レイド』

映画館で鑑賞。



【ストーリー】
麻薬王が支配するビルに突入した警官隊が、待ち構えるギャングと死闘を繰り広げる。
第一幕:オープニング〜子供の射殺
第二幕:ギャングの反撃〜マッド・ドッグの撃破
第三幕:ワヒュ警部補の裏切り〜ラストまで


【見所】
シラット!
どんだけ殴るんだ! と言いたくなるほど早く、どんだけえげつないんだ! と言いたくなるほど殺人的。
あと、インドネシア人のチンピラ顔も味わい深い。


【感想】
タマフルのザ・シネマハスラーで好意的に紹介されていたので、ハードル高めにして観たけれども、これはかなりな傑作だった。

ストーリーは超簡単で、ギャングの根城に強襲した警官隊が、死闘の末に麻薬王を倒すというもの。でも、なにが凄いかというと、描写のすさまじさ。シラットばかり注目されているけれども、アクションは銃も武器も超一流です。そして、その上を凌駕するシラットのバトルがある。麻薬王の右腕マッド・ドッグは、「強烈なパンチとキックがある」と言う前振りからしてみると、意外に小柄なんだけれども、こいつがマジ強い! 超強力なエンジンを積んだスポーツカーみたいに、疲れることを知らずに暴れまくる。

で、それに対する主人公のラマや、警官隊隊長のジャカもかなりアクションができる。役者陣は(一部を除いて)みんなアクションができる人を揃えているみたいだけれど、それにしてもマッド・ドッグの強烈な体術は、シラット最強の幻想を持たせるにあまりあるものだと思う。映画界の最強決定戦があるとするなら、全盛期のセガールでも勝つのは難しいかもしれない。なんというか、「プロジェクトA」の海賊の親分に匹敵する強さです。

要塞と化したギャングの根城で、警官隊が容赦なく殺されていくという展開は、インドネシア怖い! と思う描写が満載だった。特に、銃撃戦の後におもむろに出てくるナタ軍団が怖い。あと、麻薬王もギョロ目で怖かった。どんどん敵を撃ち殺して、最後にトンカチでブチ殺すシーンの戦慄と言ったら! そして、主人公の新米警官のラマの、10回は死んでもおかしくない無茶にも痺れた。特に、ナタ軍団の一人とベランダから墜ちるシーン! そして容赦なく壁に頭を打ち付ける殺人技!

観ていて、テンションが上がりっぱなしになってくる映画です。男の子向け。一度は観て損はないと思う。