『宇宙人ポール』

レンタルで鑑賞。



【ストーリー】
二人組のオタクが宇宙人を拾って珍道中を繰り広げる。
第一幕:オープニング〜ポールが鳥を食うまで
第二幕:ルースとの出会い〜デビルズタワー到着まで
第三幕:花火の打ち上げ〜ラストまで


【見所】
SF映画オマージュが全編に渡って繰り広げられるところ。
あと、ギャグが面白い。ルースが宇宙人を観てアメージンググレースを歌い出すところとか。


【感想】
サイモン・ペックとニック・フロストという、アメリカで最も勢いのあるコメディアン二人組の新作。監督はグレック・モットーラという、現時点ではこれ以上ない布陣で撮影された『宇宙人ポール』が面白くないはずがない! ということで、お恥ずかしながら、本当は映画館で観るべきなんだろうけれども、観る機会を失って今頃観てしまう体たらく。


感想→面白かった!


コメディ映画はとにかくハードルを上げすぎると苦しいところがあると思う。それを軽々と乗り越えるところが本当に素晴らしいと思った。今作はSF映画(スピルバーグ)オマージュが全編に渡って繰り広げられるが、それを例え知らなくても、面白さは通じるはず(むしろアメリカの南部がこういう土地だということを知っていたほうが面白いかも)。とにかくキャラクターが良くて、サイモン・ペックとニック・フロストはもちろん、ルースやゾイル捜査官、そしてもちろん主役の宇宙人ポールが素晴らしかった。


物語的には王道のロードムービーで追われる者と追う者の話になっている。政府関係者の追跡もコメディでバカっぽいにも関わらず、ちゃんと命の遣り取りをするところは「え?」と思ったけれども、全体的には温いテイストが魅力になっていると思う。サイモン・ペックとニック・フロストの、どうしようもないオタクっぽさも上手いし、ルースの福音主義的なキャラクターが(文字通り)目から鱗を落として無神論に目覚めるところとか、タラが長年の思いを吐露するところとかは絶妙だった。


でも、僕はコメディとしては楽しめたけれども、コメディ以上のものはなかったかな〜と思ったりもする。もう少し爆笑ポイントがあっても良かったのでは? 面白いのは面白いけれども、僕にとっては「ニヤニヤする」くらいの面白さで、息苦しくなるほど笑うまでにはいかなかった。この辺りは、ハードルが低ければもっと違った感想があるのかもしれない。スピルバーグ本人とポールとの会話とか、幾らでも笑える要素はあると思うんだけれどね〜。


個人的には、良作コメディといった感じ。人によっては傑作かもしれない。どちらにしても、面白くないということはありえないし、今年観るべき映画なのは間違いないと思う。