『交渉人』

テレビで鑑賞。でも、何度もやってるよね、この映画。


【ストーリー】
殺人と横領の罪を着せられた凄腕交渉人が、真相を暴くために内務捜査局に籠城する。
第一幕:オープニング〜ネイサンが殺される
第二幕:家宅捜索が入る〜内務捜査局から脱出
第三幕:ニーバウムの家に行く〜ラストまで


【感想】
面白い映画なんだけれど、何度もやっているので、安心して観てられるプログラムでもあるなぁと思う。主演のサミュエル・L・ジャクソンケヴィン・スペイシー共に良い味を出している。個人的にはセイビアン初登場のシーン(家庭内で交渉するシーンね)がカットされているのは残念だった。


この映画は結末まで一直線に進む構造をしていて、二人の交渉人の虚実入り乱れた交渉テクニックと、籠城テクニックに精通したプロっぽさが、面白さに厚みを与えている。前半はひたすら交渉テクニックのノウハウを伝えるシーンを重ねることで、後半のちょっと解りにくい謎解きまで勢いを保つことに成功していると思う。


難を言えば、真犯人があの人というのは、内務捜査局のニーバウムがビビるにはちょっと無理があるような気がした。あの人、自分も人質になってるし、なにをやりたかったのかと。署長やベックなどのダニーを殺す気満々キャラを、もう少し怪しく見せる工夫と、真犯人にもう少し伏線を入れれば……と思う。


それ以外は最後の大逆転も含めて、膝を叩くような面白さがあった。凄腕の交渉人が籠城すると、こんなに打つ手がなくなるのか、ということが良く描かれている。人質役のポール・ジアマッティが若いな〜と『ロック・オブ・エイジス』を観たので、頭のハゲ具合が気になったり。サミュエルも若い。


こういう、小粒だけれど面白い作品をテレビでコツコツ放送していけば、テレビの映画枠も盛り上がると思うんだけれどね〜。どうにもくだらない映画しか流さないから視聴率が低迷して、もう映画はダメみたいな風潮になってくるのだと思う。面白い映画なら観るよ!そんな当たり前のことを、放送側は考えてほしい。