『アヴェンジャーズ』

映画館で鑑賞。博多駅の映画館はスクリーンがでかくて良いねぇ。



【ストーリー】
ヒーロー達が集まって、北欧神話の神ロキと宇宙人の侵略軍と戦う。


【見所】
今までのマーブル映画の集大成を、果たして一つにまとめることができるのか??
出来る!
出来たのだ!
 という感じ。これが映画だ、とまではいかないが。


【感想】
意外にやるやん!


というのが、僕の感想です。『ダークナイトライジング』よりも面白かった。アメリカの夏の大作映画を制した作品だけあって、かなり盛りだくさんで飽きさせない作りになっている。『アヴェンジャーズ』は早くから「やるよ!」と決まっていた企画だったので、それに沿ってヒーロー一人一人の誕生物語が作られいて、僕なんかはキャプテン・アメリカとハルク以外は全部見ていたりしています。スーパーヒーロー系は映画館で観るのがいいですね。派手で飲み込まれる感じが体験できて、ハデハデなところもお金を払って観る価値があるなぁと。


物語は『マイティ・ソー』で微妙な悪役だったロキが大復活して、宇宙人の侵略軍を地球に呼び寄せようとする。で、予告編を観ると、すぐに侵略軍がやってくるかのような感じだったのが、意外に物語の前半はヒーロー達の人間関係とロキの暗躍に多くが割かれている。これは、侵略軍がきてしまうと済し崩しにヒーローは世界を救わなければならないので、それまでに必要な葛藤や反目などは全て語り尽くしてしまおうという意図なのだと思う。これは成功している。


マーブルのスーパーヒーローが一同に会する映画ということで、一人一人の描き込みが雑になったりするのでは? と思っていたけれども、それもストーリーテリングの妙というか、ブラックウィドウを主軸としたストーリー展開で濃い面々が脇を固めるという構成になっているので、観ていて不満に思ったりする部分はなかった。それぞれに見せ場がふんだんに用意されているという点もポイントが高い。やっぱり見せ場があるのとないのとでは、劇場で観た満足度も違うよね、という。


登場人物で一番面白かったのはハルク。エドワード・ノートンの代役でマーク・ラファロが出演しているけれども、かなりマッチしていたと思う。バナー教授のときの知性溢れる人間性が、ハルクになって暴れ回るという落差も面白い。終盤の大暴れは、派手な絵を見たい人なら大満足な活躍だと思う。お魚をぶん殴ったり、ロキを振り回したりと凄まじいの一言に尽きる。ソーは『マイティ・ソー』とは打って変わって王者の風格を持った人間として描かれている。アイアンマンはいつもの通り。キャプテン・アメリカは良く知らないけれども、清く正しい感が出ていたと思う。


悪役は目立つのはロキくらいなんだけれど、ロキは本当にダメな子だなぁと納得の熱演だった。なんというか、「凄みのない神」という新機軸を打ち出していると思う。宇宙からの侵略軍であるチタウリは、正直敵としては如何なものかと思うほどショボイ奴らで、マンハッタン島一つ陥落することができないくらい軍勢が少なすぎるのと、大量破壊兵器がないというエコロジーさが仇になったのかなぁと。お魚はビジュアル的には面白かったけれど、ただ泳いで壊しているだけみたいだったし。あと、チタウリの王様みたいなのが思わせぶりなだけで活躍しないのもどうかと。チタウリの王様が特撮の悪役みたいなビジュアルだったのは、ハリウッドにも戦隊モノのファンがいるということなのか??


で、やっぱりこれは言わざるをえないけれども、ラストのチタウリ軍殲滅の方法が核ミサイルを(アイアンマンが運んで)打ち込む、というのは幾らなんでもどうなんだ、と思わざるをえない。核兵器でやっつけられるのなら、別にスーパーヒーロー(やシールド)は要らないし、シールドの長官が秘密裏に進めていた四次元キューブを利用した兵器も必要ないのでは……と思ってしまった。空中空母も派手な割には(兵器として)活躍するところがないし。あと、NERVみたいな会議場面は良かった。


色々不満なところはほじれば出てくるけれども、基本、これだけ派手な映画を破綻なくまとめたところは最大限評価してもいいと思う。なかなか出来ることじゃないよ。ハリウッドが作った史上最強のお祭り映画は、映画館で観るのがオススメ! というのは断言できる。