『アメイジング・スパイダーマン』

映画館で鑑賞。3D字幕版。



【ストーリー】
ピーター・パーカーがスパイダーマンになって、街の人たちの協力を得て怪人リザードを倒す。


【見所】
やっぱりスパイダーマンは映画館で観るべき映画だな〜と思った。一応、スパイダーマンっぽいライド感ある映像は楽しめる。


【感想】
サム・ライミって偉大な映画監督だったんだ!


と気付かせてくれる映画だった。スパイダーマンの誕生物語を描いているので、プロット的にはサム・ライミ版の1作目と根幹になる部分はほぼ踏襲されている。違いは敵がグリーン・ゴブリンからリザードに変わったために、オズボーン家がほぼ登場しないところと、スパイダーマンはマスクはしていても素顔をさらすことにはあまり抵抗がないというところか。ピーター・パーカーもイケてないボンクラ役が嵌っていたトビー・マグワイアから、『ソーシャル・ネットワーク』でザッカーバーグに裏切られる親友役を演じたアンドリュー・ガーフィールドに変わって、かなり人物造形的にはイケイケになっている。


スパイダーマンの誕生物語についてはサム・ライミ版でも語られているフォーマットをほぼ踏襲しているので、なにを今更という感じなんだけれども、やっぱりベンおじさんが死ぬシーンはグッときた。ベンおじさんを演じているのがマーティン・シーンというのもポイントが高い。で、スパイダーマンが誕生してから、リザードとの対決になるのだけれど、これは思ったよりも締まらなかった。なんというか、テイストが『アイ・アム・ナンバー4』みたいな学園モノのノリで、意外にそれはスパイダーマンのテイストとは相性が悪いような気がした。高校のジョックスによるイジメを止めようとするピーター・パーカーってどうよ、と思ったし。


スパイダーマンを観る観客はスパイダーマンと怪人のトリッキーなアクションと、ビルの谷間をターザンのように飛び回る飛翔感を楽しみたいはずだけれど、ニューヨークの街を飛ぶスパイダーマンの絵は十分描けていたと思うが、トリッキーなアクションは全然ダメだった。監督は『(500)日のサマー』で絶賛された人のようで、(良く描けていたドラマ部分と比べて)アクションを表現する腕はサム・ライミと比べるとまだまだなのかな……という印象。


あと、ジョックスのフラッシュが意外に良い奴だったのに物語的には捨てキャラだし、グウェンと最初から仲良くなりすぎだったり、眼鏡っ娘が物語に絡みそうでからまなかったりと不満が多い。眼鏡っ娘はグウェンよりも速くピーターと仲良くなって、三角関係の一角になるキャラだと思っただけに、そして正直グウェンよりも可愛かっただけに残念だった。あと、「神のような」スーパーマン、「暗黒の騎士」バットマンに比べて、スパイダーマンはニューヨークの街の協力を得られているという描写が良かった。さすがにクレーン作業のおっさんの背後にアメリカ国旗が映るのはどうかと思ったけれど。マーブルのヒーロー像は、DCとはちょっと違うぞという感じがある。


色々書いたけれども、観て損はない映画だと思う。