スパイダーマン3
テレビで鑑賞。観るのは二回目かな?
スパイダーマンTM3 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) (初回限定豪華アウターケース付) [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2007/10/17
- メディア: DVD
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【ストーリー】
グリーン・ゴブリン、サンドマン、ベノムの三人の悪役とスパイダーマンが戦う。
【見所】
やっぱり何のかんの言ってスパイダーマンのアクションは観ていて面白い。あと、ベノムに憑依されたピーター・パーカーの間違ったイケイケ演技。
【感想】
一時は(興行収入的に)ソニーの救世主だったスパイダーマン3部作の最後。スパイダーマンは衆目の一致するところ『スパイダーマン2』が最高傑作だと思うけれど、その余波を借りた『スパイダーマン3』はどうかと言うと、正直微妙な出来だ。
というのも、悪役が3人というのはちょっと多すぎるからだ。しかも、悪役3人の中での1人、グリーン・ゴブリンことハリー・オズボーンはシリーズ通じての愛憎入り交じる関係があって、ピーターとハリーの関係だけで1作出来る濃密さだけに、2人も悪役を追加したことで関係の描写が薄くなってしまった。
と、言っても、やはりスパイダーマンはアクロバティックなアクションが描けていれば楽しめるものだし、その意味では成功している。特にサンドマンのビジュアルはかなりすごくて、砂人間という荒唐無稽な設定を成り立たせるものになっていると思う。ベノムについても裏スパイダーマンの要素がちゃんと出ていた。ただ、『スパイダーマン2』で度肝を抜いたドク・オクとの対決と比べると、かなりアイデアが枯渇しているかなぁ。
あと、スーパーヒーロー系の映画に良くある「女の人が高いところでぶら下がる→落ちるところをキャッチ!」という描写は、サスペンスという本来の字義にも適ったものであるが、もう食傷気味と言わざるをえない。先日観た『ダークナイト』でもジョーカーがレイチェルを突き落としてバットマンがキャッチしていたし、良くある構図なだけにそれに頼るばかりなのもどうかなと。
物語的には、僕が思うにベノムはエディなんてチンピラのカメラマンに取り付くのではなくて、ハリー・オズボーンにこそ取り付いて、善と悪の最終決戦を演じるべきだったとおもうんだけれどね。そうすれば両者の対比がより明確な形で表現できただろうし、タダでさえ冗長で多い登場人物をグッと整理できたと思う。でも、エディに取り付くのは原作設定がそうだから仕方がないところなのか。ちなみにサンドマンのビジュアルは最高だったけれど、必要性はまったくないキャラだった。ベンおじさんを殺した真犯人……というのもあまり効果的に描写されていないし。。この辺りはシリーズとしての脚本がもう煮詰まっていることを意味している。
アクション以外のところでは、ピーターがフレンチレストランでMJにプロポーズしようとするところとか、ヴェノムに取り付かれたピーターの奇っ怪で異様に長いダンスが面白かった。街の愛されるスーパヒーローというのは、スーパーマンの系譜にあるけれど、スーパーマンよりも愛嬌があっていい。この人間的に未熟でできあがっていないところが、スパイダーマンの魅力なんだなぁと思う。
個人的には、この3作目で作品が一段落したというのは、仕方がないところかな。バットマンの旧作のようにムダに引き延ばしても傷が深くなるだろうし。スパイダーマン3はファンが見たいものを、かなり頑張って提供しているし、その意味ではかなり出来が良い作品だと思う。あと、やっぱりこの映画は映画館で観ないと面白さが半減することはハッキリした。なので、『アメイジング・スパイダーマン』は映画館で観ることにしよう。