『ダークナイト』
テレビで鑑賞。DVDを買うほど好きで、何度も観ているどころか、僕はバットマンのシリーズが大好き。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: Blu-ray
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【ストーリー】
ゴッサムシティに現れた怪人ジョーカーにバットマンが振り回される。
第一幕:オープニング〜バットマンとデントが同盟を結ぶまで
第二幕:バットマンが香港に行く〜病院が爆破される
第三幕:デントが暴走する〜ラストまで
こうして観ると、『ダークナイト』はデントを主軸にした話だよね。
【見所】
ヒース・レジャーの怪演。もう二度とヒースのジョーカーを観ることができないだけに、随所が輝いている。アカデミー賞助演男優賞も納得。特に、鉛筆を消す手品は100回観てもいい。
【感想】
ティム・バートン版から散見されるけれど、バットマンって「墜落死は殺人にカウントされない」って割と本気で思ってそう。
11時30分も放送があるから、ノーカットかなぁと思ったら幾つものシーンが細かくカットされているので、DVDを何度も観ている身としてはそれが一番気になった。階段を転げ落ちるように展開していく物語なので、細かくカットしても流れが小刻みに止まって、気になるのは気になるよね。
バットマンとジョーカーの路上の対決までが面白いよね、と思いつつ、今回テレビで観ていたけれども、レイチェルが死んでデントがトゥーフェイスになってからも変わらず面白かった。特に、バットマンとジョーカーの最後の対決で、ジョーカーが吊り下げられたシーンでのあのセリフはかなりグッとくるものがあった。あれ、吊り下げられているのに画面は反転しているから、ジョーカーがモラルから解放された真に自由な存在として描かれている。そのジョーカーがデントを「堕とす」と言う凄み。
とにかく、映画を観たら誰しも思うのはジョーカーの凄み。最初、『ダークナイト』の話が出たときに「ジョーカー役にヒース・レジャー」というのを聞いて、正直微妙だと思ったけれども、比較対象であるジャック・ニコルソンと遜色ない鬼気迫る演技をしていたと思う。個人的にはこちらのジョーカーのほうが好き。ヒース・レジャーがこのあと死んでしまうことも含めて伝説級の演技だったと思うけれども、生きていてもアカデミー賞助演男優賞は獲得しただろうし、その後のキャリアの可能性を思うと本当に残念になってくる。
この『ダークナイト』最大の誤算は、ジョーカー役のヒース・レジャーが死んでしまったことと、ハーヴェイ・デントがトゥーフェイス化してさっさと死んでしまうところにあると思う。このことで、物語として次に繋げる役目の人間が完全にいなくなってしまった。これには監督のクリストファー・ノーランも頭を抱えたと思う。トゥーフェイスは『バットマン・フォーエバー』でトミー・リー・ジョーンズが演じていたトゥーフェイスよりも、ずっと(荒唐無稽な怪人を人間的に描いているという意味でも)トゥーフェイスしていたけれども、ああいう帰結にしてしまうとあそこで死ぬしかなくなってしまうよね。『ダークナイト』は物語的にはハーヴェイ・デントが主人公で、登場から死までを描くので特に。
物語的にはジョーカーも殺さなかった(殺せなかった)バットマンが、ついにデントを殺してしまうところで終わる。そこでバットマンが汚名を被りダークナイトになってしまうのだけれど、この帰結をジョーカーはどう考えているのか、それはもう解らないというのも惜しい。『ダークナイト・ライジズ』でバットマンが人殺しを厭わない存在になっているかどうか、そこも注目どころだと思う。それはともかくバットマンって「人殺しはしない」と言いながら、結果的に人が死んでそうな事故とかは割と平気だよね。
映像的にはジョーカーが登場するシーンの全ては必見だった。あの強いのか弱いのか解らないジョーカーの、規格外の存在感がこの映画の魅力の半分を占めていると思う。トゥーフェイスの顔面もすごかった。現代的なバットマンの解釈に沿った物語を、ちゃんと描いているというだけでも評価に値すると思う。欠点は……やっぱり要らないシークエンスや場面が多いってことかな。ただ、それも含めて『ダークナイト』の魅力ではある。『ダークナイト・ライジズ』はどんな映画になるのか、ベインとキャットウーマンは悪役としてはどうなのか……と思うけれど、たぶん面白いだろうから観ちゃうんだよね……