5月に観た映画ランキング!

というわけで、5月に観た映画ランキングをはじめます! 「僕が5月に観た映画」なので新規公開作とは限りません。題名のリンクから、そのときの感想に飛びますので、興味がありましたらそちらのほうもお読みください。全32作品! 今回は前回と違って、1位から順に下げていこうと思います。


【1位】
瞳の奧の秘密

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これが今月の1位!
アルゼンチン映画の傑作。アカデミー外国語映画賞受賞も納得の上質なサスペンス。これに比べれば『ドラゴン・タトゥーの女』ってぜんぜんだったよね、と僕の中ではデヴィット・フィンチャーの評価も下がるほどの作品です。とにかく物語の伏線の張り方が上手い。追跡シーンがダイナミック。目の動きの演技が巧み。言葉巧みな感じが笑える。主人公の心が『恐怖』から『愛』に変わるとき、「大人やな〜」と超感心した。


【2位】
ウォーリー

ウォーリー [Blu-ray]

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おしい! でも2位!
ピクサージョン・ラセターが「ぶん殴るぞ!」と言って、助走をつけて思いっきりストレートを殴ってくるのを、僕は避けようとするのだけれどあまりの迫力に避けられずに吹っ飛ばされるという、そんな映画。以前にも観た映画なんだけれど、やっぱり何度観ても感動させられる。無機物に命が宿り、サスペンス展開にどきどきして、ラストのエンドクレジットで号泣。単純なストーリーを超巧妙なテリングで「推して参る」のを、日本映画界もぜひ勉強してほしいと思うところだ。


【3位】
その土曜日、7時58分

おしい! でも3位!
実際、1位から3位までは傑作すぎてほとんど同率1位でも良いような感じです。巨匠シドニー・ルメットの遺作。金に困った兄弟が、父親の経営する宝石店に強盗しようとするが……というサスペンス。兄弟と父の視点に交互に移っていくことで、怒濤のサスペンス展開を上品に描ききっている。職人芸ってこういうことを言うのか〜と感心した一作。この作品を観たら、「監督の次回作が観たい!」と思うのだけれど、ルメット監督は死んでしまったのだよねぇ……


−−−−−−−−−−−超えられない傑作映画の壁−−−−−−−−−−−−


【4位】
ファミリーツリー

ファミリー・ツリー オリジナル・サウンドトラック

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  • アーティスト: サントラ,ギャビー・パヒヌイ,サニー・チリングワース,レナ・マシャード,ソル・フーピズ・ノヴェルティ・トリオ,デニス・カマカヒ,ケオラ・ビーマー,オジー・コタニ,チャールズ・マイケル・ブロットマン,マカナ,ケオラ・ビーマー with ジョージ・ウィンストン
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2012/04/04
  • メディア: CD
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シドに4位!
現在公開中の映画だけれど、アレクサンダー・ペイン監督の何年かぶりかの新作は、やっぱりかなり良い作品だった。スポーツ中の事故で危篤状態になった妻の、不倫の事実を知った夫が家族と不倫相手とハワイの土地に右往左往する話。物語自体は超深刻なんだけれど、ハワイの癒しの空気が全てを優しく包み込む感じが素晴らしかった。僕はシドが好きなんだよね〜。あの「なにこいつ」的な雰囲気からのどんどん成長する感じが素晴らしい。今、映画館で観るなら、この映画だと思う。


【5位】
チェイサー

チェイサー [DVD]

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韓流、そんなん知らんけれど、殺し屋と殺人鬼の出てくる韓国映画は素晴らしい!
で、この映画は殺人鬼が出てきます。なので素晴らしいできの韓国映画になっています。デリヘル斡旋業をしている元刑事が、派遣した女を監禁した殺人鬼を捕まえるが、殺人鬼には証拠がなく釈放されてしまい……という話。殺人鬼の「え?」みたいな顔とか、主人公がどんどん格好良くなるところとか、女の子の可愛さとか、役者陣の泥臭い顔がノワールを支えていると思う。オープニングのチラシを車に挟むシーンのテンポの良さ、殺人鬼の壊れた暴力性、運命がどんどん最悪の方向に転がっていくところなど日本映画では真似できないパワーが感じられた。


【6位】
13人の刺客

十三人の刺客<Blu-ray>通常版

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ザ・みなごろし!
稲垣吾郎演じる極悪非道の明石藩主を、役所広司たち13人の刺客が随伴する200人の侍もろとも「みなごろし」にする。NHKの大河ドラマの『平清盛』で「盛り上がらない保元の乱」をやっていたけれど、マジでこれを観て作り直せ! と言いたい。それくらいに圧倒的なスケールで描かれる13vs200の大合戦。1対10の圧倒的な数の暴力が描かれているし、その中で罠と剣技で戦いを挑む刺客の説得力もスゴイ。文字通り血の雨が降るし、明石藩主の狂気も悪役の凄みがある。三池崇史監督のフィルモグラフィーの中でも一級の作品であることは間違いない。


【7位】
リアル・スティール

ロボットボクシングの世界で負け犬の父親が子供と同行することになって、偶然拾ったロボットと一緒にのしあがっていく……という王道をしっかり描ききっている作品。今月観た映画は子役の素晴らしい映画が多かったけれども、その中でもかなり上位に入る。ロボットと一緒に踊るところとか最高。物語的には粗もあるし、ヒュー・ジャックマン演じる父親の最低さがちょっとどうかと思うくらいなのもあれなんだけれど、最後の大団円で帳消しになる素晴らしさがあったと思う。ロッキーが好きなら間違いない一本。


【8位】
続・荒野の用心棒

続 荒野の用心棒 [DVD]

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ザ・ジャンゴ!
ジャンゴが棺桶の中からガトリングガンを持ち上げた瞬間、マカロニ・ウエスタンの伝説が生まれた! という漢なら誰もが武者震いする一作。オープニングからして泥だらけの中、棺桶を引き摺るジャンゴのビジュアルが異様すぎて逆にかっこいい。ジャクソンの「メキシコ人ハンティング」も悪役の凄みがあって良かった。ラストの十字架撃ちに到る「来るか……来るか……来るか……来たー!」という感じなど、セルジオ・コルブッチ監督の手腕が光る。


【9位】
風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ [DVD]

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日本のアニメ映画のレジェンド。今観ると、物語の奧にある意味みたいなものが、(原作とは切り放したところで)読み取れて面白かった。ナウシカってオームと意識を共有している人なんだ〜と分かったのが最大の収穫か。演出はこの特殊な世界観を描くためか、序盤の説明的な独り言などかなり古くさい気がしたけれども、日本の観客相手ならこれくらいが丁度良いという宮崎駿演出を感じた。この作品が好意的に迎えられて以降、もっと絵だけで語る方向にシフトしていくんだよね。原作と違ってエコはオマケのようなもので、徹底した暴力の無意味さを描いているところも(作品の方向性として)良い。


【10位】
アルマゲドン

アルマゲドン [Blu-ray]

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僕の中ではブシェミ映画です。
マイケル・ベイの悪趣味さが明らかになった今、この映画で泣いている人はいないんじゃないかなぁと思う。で、重力のある宇宙ステーションや、余分なモノは取り外したはずなのにガトリングガンは装備している宇宙自動車、超頑丈な宇宙服などにツッコミを入れつつも、ブシェミとロシア人に大笑いするという世界的に正しい方向の鑑賞スタイルになったと思う。フランスと中国はとりあえず隕石で滅びとけ、というベイの政治スタンスも楽しめるし。


【11位】
イップマン 序章

イップ・マン 序章&葉問 Blu-rayツインパック

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超リッチなイップマンを観て、
こんなのイップマンじゃねぇ!
と思った。でも、すぐに落ちぶれてしまったので一安心。物語は佛山でブイブイ言わせていたイップマンが、日本軍の占領によって落ちぶれてしまい、やがて中国人の誇りにかけて日本軍の三浦将軍と決戦をする……という内容。三浦将軍はかなり魅力的な人物に描かれているが、彼を完膚無きまでに叩きのめすイップマンはちょっとどうかと思うくらい強い。これは中国の観客向けの映画だからだと思う。とにかく佐藤が悪い奴で、日本の恥さらしめ! と思う一方で、日本そのものはあまりネガティブな感じはしなかったのは、三浦将軍の人格があってのものだなと。


【12位】
イングロリアス・バスターズ

クエンティン・タランティーノって油断がならない映画監督だな〜と鑑賞中ずっと思っていた。総体ではそれほどでもない映画でも、ところどころでハッとさせられるシーンが織り込まれている。なので、見終わったあと「見所だらけの映画だった……」という気にさせられるのかな。ナチス狩りをする米国軍の秘密部隊バスターズと、ナチスに家族を殺された映画館の女主人、そしてユダヤ人ハンターのナチス親衛隊将校の三極で語られる映画。作中劇の『国民の誇り』も面白い。


【13位】
テルマエ・ロマエ

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

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今月観た日本映画の中では一番面白かった。とにかくセットがスゴイ。これ、自前ではないにしても、チネチッタの取り壊される前の海外ドラマのセットを借りられたという時点で、日本映画としては良くやった! と思う。物語的には短編ギャグマンガをまとめたものなので、シナリオに苦労の後が忍ばれるけれども、阿部寛の存在感と、竹内力の存在感と、平たい顔族の存在感でなんとかなっていた。原作を知らなくても楽しめる作品であることは確かだし、原作を知っている人でも満足度が高いと思う。


−−−−−−−−−−−超えられない良作映画の壁−−−−−−−−−−−−−


【14位】
HERO

英雄 ~HERO~ スペシャルエディション [DVD]

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中国的な圧倒的人数スケールで物語を描ききったチャン・イーモウはスゴイ! そして、このころは本当にぺろぺろしたかったチャン・ツィイーがやっぱり可愛い。色の使い方が本当に上品で、中国の悠久の歴史を感じる。13位という順位は低いかな〜とは思うけれど、実際5回くらい観た映画なのでこれくらいに落ち着いてしまうかな。


【15位】
八日目の蝉

八日目の蝉 通常版 [DVD]

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個人的には色々と思わないでもないけれど、野々宮希和子の話が本当に良く出来ているので、この順位。エンジェルホームの現実感のなさとか、小豆島の風土とか。小豆島に話が移ってからは本当にこの島の魅力に酔いしれてしまった。でも、秋山恵理菜の話は正直蛇足だと思う。原作からどうしても映画的に端折る必要があるのだから、ここをもっと大胆に処理すれば良かったのにね。


【16位】
青い棘

青い棘 [DVD]

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ホモ映画。ワイマール期のドイツの自由な感じと、若者の楽しそうなパーティー描写が良かった。ホモだし、近親相姦的な雰囲気もあるし、自殺サークルなんてキャッチーなキーワードも出てくるし、おっと思うけれども派手さは全然ない。


【17位】
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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ミッション:インポッシブルシリーズも4作目になって、雰囲気がちょっとコメディ演出の光る感じになっている。監督が『Mr.インクレディブル』の人だから、ちょっとクスッと笑ってしまう部分の撮り方が上手いんだなぁと思った。4作目だし、トム・クルーズも出ているので、安心して観ることができるという感じ。悪役の核戦争を起こそうという理屈はちょっと面白かった。現代的な知的テロリストの姿であると思う。


【18位】
処刑人

ウィリアム・デフォー映画。これも3回くらい観たので、評価がこの辺りに落ち着いてしまう感じ。直接的なアクションを見せずに、回想という形で表現するという方法が面白い。どんどん壊れていくウィリアム・デフォーはついにプラトーン化してしまうし。


【19位】
花咲ける騎士道

面白いじゃん! リュック・ベッソンってフランス人なのにフランス人をバカにすることができる、偉大な才能の持ち主だよね。戦争を舞台にしているのに、ほとんど誰も傷付かない終わりかたや、高貴な人たちのドリフターズ的演技(特に卵を食べたいと言うシーンのあほらしさ)とか、僕には面白いと思える部分がたくさんあった。ペネロペ・クルスが超美人という見所もあるし。


【20位】
プレデター

80年代アクション映画のメソッドに終止符を打つための映画であり、90年代アクション映画のメソッドの先駆けとなった映画。シュワちゃんはこのころは本当に出演作に恵まれていたなぁと思う。作品としては10回くらい観ているので、評価としてはこのくらいに落ち着く。


【21位】
ジャック・ソード 選ばれし勇者

ジャック・ソード 選ばれし勇者 [DVD]

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ザ・ショタ映画

この子が脱ぎまくる! ただそれだけ!


【22位】
釣りバカ日誌18

釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束 [DVD]

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プログラムピクチャーとして納得の完成度があると思う。ハマちゃんとスーさんが釣りをしているだけで、観て良かったと思える映画。笑いあり涙あり、アクションあり、恋愛ありと、ちゃんとした型に収まった良さを堪能できると思う。説明過多なところが多い最近の日本映画の中で、描くかな? と思うところをバッサリと飛ばしているところもテンポが生み出されて良かった。侮れない作品だと思うよ。


【23位】
トロン・レガシー

ズースのクラブの場面が格好良かったので、もうちょっと上でもいいかなーとは思うものの、話自体は別にどうでもいい内容なのでこの辺りが妥当か。ダフト・パンクも出ているし。


【24位】
ザ・ロック

ザ・ロック [Blu-ray]

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シナリオは色々と工夫しているところがあるけれども、マイケル・ベイの悪趣味演出と無意味なカーチェイス、どんどん敵が薄口になってくるところがどうにもこうにも、という感じ。個人的にはショーン・コネリーエド・ハリスが出ていなければ、もっと低くても良かったかなと思う。オープニングの神経ガスを奪ってアルカトラズを占拠するまでは、「お? これがマイケル・ベイ映画なのか?」と思う抑揚の効いた映画だったのだけれどねぇ。



【25位】
ボーン・アルティメイタム

観たことのないシリーズの完結編だけ観るということをした僕が悪いのだけれど、やっぱり映画的な見せ場がどんどん落ちていくのはいただけないなぁと思った。序盤のロンドン駅のあたりはかなり面白かっただけに、中盤の黒人諜報員との一騎討ちあたりで「地味だ……」という感じが強くなる。でも「(一人の男の追跡に血道を上げるほど)ムチャクチャ暇で、(外国で銃撃戦や盗聴盗撮など)やりたい放題のCIA」という設定は良かった。


【26位】
相棒 劇場版2

地味。劇場版1作目が東京マラソンという規模のデカイ舞台だったのに、今作は2時間ドラマにしてもいいくらいのスケールダウンになっていると思う。序盤の警視庁占拠事件は面白かったけれども、これが解決してしまうと物語の推進力がまったく落ちてしまうのが難点だった。小野田官房長の犬死にもちょっととってつけた感じが否めない。


【27位】
クリフ・ハンガー

90年代の映画なのに、この80年代の映画を観るような古くささ。この頃のスタローンは本当に出演作に恵まれなかったなぁと思った。この作品自体は大ヒットしたけれども、スタローン「盛りを過ぎたアクション俳優」イメージを強固なものにしてしまったと思う。


【28位】
アレックス・ライダー

アレックスライダー [DVD]

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それなりに楽しめる部分はあるけれども、ジュブナイル映画として描かれる価値観がちょっとどうかと思う。階級社会イギリスの悪いところやね。あと、悪役が横やりで死んでしまう映画というのはどうなんだと思った。シリーズ化するつもり満々な終わりかただったけれども、結局これ一本になってしまったね。そういえば、主演のアレックス・ペティファーって『アイ・アム・ナンバー4』にも出ていたっけ。あちらも続編作る気満々だったのに、あれっきりだったね。


【29位】
ワイルド・スピードX2

車に対する執着がない僕にはいかんせん「ノれない映画」でした。なんというか、なんのために車を超スピードで走らせるのか、その意味が薄いような気がした。


−−−−−−−−−−−−超えられないクソ映画の壁−−−−−−−−−−−−


【30位】
セックス・アンド・ザ・シティ2

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中身がない!
というスゴい映画。シリーズを観ていない僕も悪いんですけれど。でも、この映画を作っている人たちも「中身がない」ということは承知しているわけで、そこが下2作との決定的な差になっていると思う。ちょっとどうかと思うレベルの乳揺れがあるし、楽しめないというわけでもない。


【31位】
阪急電車 片道十五分の奇跡

阪急電車 片道15分の奇跡 [DVD]

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『ウォーリー』の感動を返せ!(同じ日に、しかも『ウォーリー』のあとにテレビに流れました)
この映画と下の映画は、未だに思い出すだけで腹が立つ映画なんですけれど、下の映画に比べればまだ許せるかな〜と思う。許せないんだけれどね。観客は人間だから、感動させるスイッチなんてないんだよ、とこの映画の作り手に言いたい。そして、もしスイッチがあったとしても、この展開や演出じゃあダメだろ! と言いたい。何度も何度も繰り返すけれども、100のマイナスを10のプラスで埋め合わせて「人生、悪いことばかりじゃないんやで」で誤魔化すような物語を作るな! と言いたい。そして、阪急電鉄はこの映画を作った東映を、そして『ウォーリー』の後に放送したフジテレビを訴えたほうがいいと思う。


【32位】
プリンセス・トヨトミ

堂々の最下位! デタラメとはまさにこの映画のこと。
昨今の日本映画は、本当に女子供に媚びまくったあげくのクソ映画が幅を利かせているけれども、この映画ほどジェンダーをバカにしている作品はないと思った。でも、こんな映画を観て「よかったー」みたいな感じになっている女性客が多いわけだから、マジで女子供に媚びる必要ないじゃんという逆説的な証明になっている。とにかくムチャクチャ、とにかくデタラメ。バカじゃねーの? と劇中何十回と繰り返してしまった。万城目学の原作をなにも考えずに映画化すれば、こんなクソ映画にもなろうよ、という感じ。こんな映画を地上波で放送するテレビ局もテレビ局だ(そしてそれを分かっていて観る僕も僕だ)。


というわけで、5月度のランキングを終わります。最下位争いは本当に熾烈で、どちらを最下位にしても良かったのですが、やはり価値観的には『プリンセス・トヨトミ』の価値観はハッキリ最低だと思ったので、こちらを選びました。『阪急電車』はもしかしたら『ウォーリー』の後に観なければ、もうちょっと評価は上かもしれないですし。上位陣は本当に素晴らしい作品です。特に『瞳の奧の秘密』『ウォーリー』『その土曜日、7時58分』は本当に素晴らしい。絶対に観てほしい作品で、これを見たあとで下位作品を観ると、映画的な優劣が本当にハッキリすると思います。