5月に観た映画ランキング!
というわけで、5月に観た映画ランキングをはじめます! 「僕が5月に観た映画」なので新規公開作とは限りません。題名のリンクから、そのときの感想に飛びますので、興味がありましたらそちらのほうもお読みください。全32作品! 今回は前回と違って、1位から順に下げていこうと思います。
【1位】
瞳の奧の秘密
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2011/02/18
- メディア: DVD
- クリック: 26回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
アルゼンチン映画の傑作。アカデミー外国語映画賞受賞も納得の上質なサスペンス。これに比べれば『ドラゴン・タトゥーの女』ってぜんぜんだったよね、と僕の中ではデヴィット・フィンチャーの評価も下がるほどの作品です。とにかく物語の伏線の張り方が上手い。追跡シーンがダイナミック。目の動きの演技が巧み。言葉巧みな感じが笑える。主人公の心が『恐怖』から『愛』に変わるとき、「大人やな〜」と超感心した。
【2位】
ウォーリー
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2010/11/03
- メディア: Blu-ray
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
ピクサーのジョン・ラセターが「ぶん殴るぞ!」と言って、助走をつけて思いっきりストレートを殴ってくるのを、僕は避けようとするのだけれどあまりの迫力に避けられずに吹っ飛ばされるという、そんな映画。以前にも観た映画なんだけれど、やっぱり何度観ても感動させられる。無機物に命が宿り、サスペンス展開にどきどきして、ラストのエンドクレジットで号泣。単純なストーリーを超巧妙なテリングで「推して参る」のを、日本映画界もぜひ勉強してほしいと思うところだ。
【3位】
その土曜日、7時58分
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2009/07/03
- メディア: Blu-ray
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
実際、1位から3位までは傑作すぎてほとんど同率1位でも良いような感じです。巨匠シドニー・ルメットの遺作。金に困った兄弟が、父親の経営する宝石店に強盗しようとするが……というサスペンス。兄弟と父の視点に交互に移っていくことで、怒濤のサスペンス展開を上品に描ききっている。職人芸ってこういうことを言うのか〜と感心した一作。この作品を観たら、「監督の次回作が観たい!」と思うのだけれど、ルメット監督は死んでしまったのだよねぇ……
−−−−−−−−−−−超えられない傑作映画の壁−−−−−−−−−−−−
【4位】
ファミリーツリー
- アーティスト: サントラ,ギャビー・パヒヌイ,サニー・チリングワース,レナ・マシャード,ソル・フーピズ・ノヴェルティ・トリオ,デニス・カマカヒ,ケオラ・ビーマー,オジー・コタニ,チャールズ・マイケル・ブロットマン,マカナ,ケオラ・ビーマー with ジョージ・ウィンストン
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2012/04/04
- メディア: CD
- クリック: 3回
- この商品を含むブログを見る
現在公開中の映画だけれど、アレクサンダー・ペイン監督の何年かぶりかの新作は、やっぱりかなり良い作品だった。スポーツ中の事故で危篤状態になった妻の、不倫の事実を知った夫が家族と不倫相手とハワイの土地に右往左往する話。物語自体は超深刻なんだけれど、ハワイの癒しの空気が全てを優しく包み込む感じが素晴らしかった。僕はシドが好きなんだよね〜。あの「なにこいつ」的な雰囲気からのどんどん成長する感じが素晴らしい。今、映画館で観るなら、この映画だと思う。
【5位】
チェイサー
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
で、この映画は殺人鬼が出てきます。なので素晴らしいできの韓国映画になっています。デリヘル斡旋業をしている元刑事が、派遣した女を監禁した殺人鬼を捕まえるが、殺人鬼には証拠がなく釈放されてしまい……という話。殺人鬼の「え?」みたいな顔とか、主人公がどんどん格好良くなるところとか、女の子の可愛さとか、役者陣の泥臭い顔がノワールを支えていると思う。オープニングのチラシを車に挟むシーンのテンポの良さ、殺人鬼の壊れた暴力性、運命がどんどん最悪の方向に転がっていくところなど日本映画では真似できないパワーが感じられた。
【6位】
13人の刺客
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2011/05/27
- メディア: Blu-ray
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
稲垣吾郎演じる極悪非道の明石藩主を、役所広司たち13人の刺客が随伴する200人の侍もろとも「みなごろし」にする。NHKの大河ドラマの『平清盛』で「盛り上がらない保元の乱」をやっていたけれど、マジでこれを観て作り直せ! と言いたい。それくらいに圧倒的なスケールで描かれる13vs200の大合戦。1対10の圧倒的な数の暴力が描かれているし、その中で罠と剣技で戦いを挑む刺客の説得力もスゴイ。文字通り血の雨が降るし、明石藩主の狂気も悪役の凄みがある。三池崇史監督のフィルモグラフィーの中でも一級の作品であることは間違いない。
【7位】
リアル・スティール
リアル・スティール DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2012/05/16
- メディア: Blu-ray
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログを見る
【8位】
続・荒野の用心棒
- 出版社/メーカー: エスピーオー
- 発売日: 2007/03/24
- メディア: DVD
- クリック: 19回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
ジャンゴが棺桶の中からガトリングガンを持ち上げた瞬間、マカロニ・ウエスタンの伝説が生まれた! という漢なら誰もが武者震いする一作。オープニングからして泥だらけの中、棺桶を引き摺るジャンゴのビジュアルが異様すぎて逆にかっこいい。ジャクソンの「メキシコ人ハンティング」も悪役の凄みがあって良かった。ラストの十字架撃ちに到る「来るか……来るか……来るか……来たー!」という感じなど、セルジオ・コルブッチ監督の手腕が光る。
【9位】
風の谷のナウシカ
- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2003/11/19
- メディア: DVD
- 購入: 12人 クリック: 393回
- この商品を含むブログ (400件) を見る
【10位】
アルマゲドン
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2011/08/03
- メディア: Blu-ray
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
マイケル・ベイの悪趣味さが明らかになった今、この映画で泣いている人はいないんじゃないかなぁと思う。で、重力のある宇宙ステーションや、余分なモノは取り外したはずなのにガトリングガンは装備している宇宙自動車、超頑丈な宇宙服などにツッコミを入れつつも、ブシェミとロシア人に大笑いするという世界的に正しい方向の鑑賞スタイルになったと思う。フランスと中国はとりあえず隕石で滅びとけ、というベイの政治スタンスも楽しめるし。
【11位】
イップマン 序章
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/06/02
- メディア: Blu-ray
- 購入: 3人 クリック: 1,268回
- この商品を含むブログ (56件) を見る
こんなのイップマンじゃねぇ!
と思った。でも、すぐに落ちぶれてしまったので一安心。物語は佛山でブイブイ言わせていたイップマンが、日本軍の占領によって落ちぶれてしまい、やがて中国人の誇りにかけて日本軍の三浦将軍と決戦をする……という内容。三浦将軍はかなり魅力的な人物に描かれているが、彼を完膚無きまでに叩きのめすイップマンはちょっとどうかと思うくらい強い。これは中国の観客向けの映画だからだと思う。とにかく佐藤が悪い奴で、日本の恥さらしめ! と思う一方で、日本そのものはあまりネガティブな感じはしなかったのは、三浦将軍の人格があってのものだなと。
【12位】
イングロリアス・バスターズ
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2010/05/12
- メディア: Blu-ray
- 購入: 5人 クリック: 97回
- この商品を含むブログ (53件) を見る
【13位】
テルマエ・ロマエ
- 作者: ヤマザキマリ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/11/26
- メディア: コミック
- 購入: 119人 クリック: 3,802回
- この商品を含むブログ (738件) を見る
−−−−−−−−−−−超えられない良作映画の壁−−−−−−−−−−−−−
【14位】
HERO
- 出版社/メーカー: レントラックジャパン
- 発売日: 2004/01/23
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 66回
- この商品を含むブログ (176件) を見る
【15位】
八日目の蝉
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 145回
- この商品を含むブログ (117件) を見る
【16位】
青い棘
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2006/04/07
- メディア: DVD
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
【17位】
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2012/04/27
- メディア: Blu-ray
- 購入: 9人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (60件) を見る
【18位】
処刑人
処刑人I&IIブルーレイ・ツインパック【初BD化/初回生産限定】 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2010/09/03
- メディア: Blu-ray
- 購入: 4人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
【19位】
花咲ける騎士道
- 出版社/メーカー: アスミック・エース
- 発売日: 2004/10/29
- メディア: DVD
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
【20位】
プレデター
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2010/12/23
- メディア: Blu-ray
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
【21位】
ジャック・ソード 選ばれし勇者
- 出版社/メーカー: ケンメディア
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: DVD
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
この子が脱ぎまくる! ただそれだけ!
【22位】
釣りバカ日誌18
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2008/02/08
- メディア: DVD
- クリック: 39回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
【23位】
トロン・レガシー
トロン:レガシー DVD+ブルーレイ・セット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2011/06/03
- メディア: Blu-ray
- 購入: 1人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
【24位】
ザ・ロック
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: Blu-ray
- 購入: 1人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
【25位】
ボーン・アルティメイタム
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2012/04/13
- メディア: Blu-ray
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
【26位】
相棒 劇場版2
相棒 劇場版II -警視庁占拠!特命係の一番長い夜- <通常版> [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2011/08/03
- メディア: DVD
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
【27位】
クリフ・ハンガー
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2009/02/04
- メディア: Blu-ray
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
【28位】
アレックス・ライダー
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
【29位】
ワイルド・スピードX2
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: Blu-ray
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
−−−−−−−−−−−−超えられないクソ映画の壁−−−−−−−−−−−−
【30位】
セックス・アンド・ザ・シティ2
セックス・アンド・ザ・シティ2 [ザ・ムービー] [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2011/04/21
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 91回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
というスゴい映画。シリーズを観ていない僕も悪いんですけれど。でも、この映画を作っている人たちも「中身がない」ということは承知しているわけで、そこが下2作との決定的な差になっていると思う。ちょっとどうかと思うレベルの乳揺れがあるし、楽しめないというわけでもない。
【31位】
阪急電車 片道十五分の奇跡
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: DVD
- クリック: 136回
- この商品を含むブログ (95件) を見る
この映画と下の映画は、未だに思い出すだけで腹が立つ映画なんですけれど、下の映画に比べればまだ許せるかな〜と思う。許せないんだけれどね。観客は人間だから、感動させるスイッチなんてないんだよ、とこの映画の作り手に言いたい。そして、もしスイッチがあったとしても、この展開や演出じゃあダメだろ! と言いたい。何度も何度も繰り返すけれども、100のマイナスを10のプラスで埋め合わせて「人生、悪いことばかりじゃないんやで」で誤魔化すような物語を作るな! と言いたい。そして、阪急電鉄はこの映画を作った東映を、そして『ウォーリー』の後に放送したフジテレビを訴えたほうがいいと思う。
【32位】
プリンセス・トヨトミ
プリンセス トヨトミ Blu?rayスタンダード・エディション [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: Blu-ray
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
昨今の日本映画は、本当に女子供に媚びまくったあげくのクソ映画が幅を利かせているけれども、この映画ほどジェンダーをバカにしている作品はないと思った。でも、こんな映画を観て「よかったー」みたいな感じになっている女性客が多いわけだから、マジで女子供に媚びる必要ないじゃんという逆説的な証明になっている。とにかくムチャクチャ、とにかくデタラメ。バカじゃねーの? と劇中何十回と繰り返してしまった。万城目学の原作をなにも考えずに映画化すれば、こんなクソ映画にもなろうよ、という感じ。こんな映画を地上波で放送するテレビ局もテレビ局だ(そしてそれを分かっていて観る僕も僕だ)。
というわけで、5月度のランキングを終わります。最下位争いは本当に熾烈で、どちらを最下位にしても良かったのですが、やはり価値観的には『プリンセス・トヨトミ』の価値観はハッキリ最低だと思ったので、こちらを選びました。『阪急電車』はもしかしたら『ウォーリー』の後に観なければ、もうちょっと評価は上かもしれないですし。上位陣は本当に素晴らしい作品です。特に『瞳の奧の秘密』『ウォーリー』『その土曜日、7時58分』は本当に素晴らしい。絶対に観てほしい作品で、これを見たあとで下位作品を観ると、映画的な優劣が本当にハッキリすると思います。