『ザ・ロック』
テレビで鑑賞。テレビは尺に合わせてカットしているから、筋書きが良く解らないところはあるよね。
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: Blu-ray
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【ストーリー】
爆弾処理の専門家と脱獄のプロが、アルカトラズを占拠したテロリストと戦う。
第一幕:オープニング〜スタンリーがロスに呼ばれるまで
第二幕:メイソンの登場〜ハメル准将の死まで
第三幕:最後のロケットの場所を聞き出す〜ラストまで
【見所】
マイケル・ベイもこの頃は抑揚が効いていた(と思っていたけれど、そうでもなかった)。たぶん、そう思うのはハメル准将のキャラがあるからだよね。
【感想】
はじめて鑑賞。
オープニングのハメル准将がアルカトラズを占拠するまでは「お、マイケル・ベイなかなかやるじゃん」と思ったけれど、メイソンが逃げたあたりから悪名高いベイ演出が炸裂して唖然とさせられた。あのカーチェイスの場面は本当に必要なかったよね。本当にそのためにするアクション場面といった感じだった。路面電車が吹っ飛ぶほどの事故なのに誰も死んでいないし。
アクション演出はこれぞ90年代という連続活劇で、マイケル・ベイっぽい悪趣味演出(人間の顔が溶けたり、眉間を撃ち抜かれた死体が目を見開いたまま逆さ吊りになったり)が随所に楽しめる。でも、実際にはかなり古臭い部分が目立った。カーアクションもそうだけれど、ラストの戦いも一番キャラが立っている敵が退場してしまうので見せ場という見せ場がないし。
脚本にクエンティン・タランティーノが絡んでいるからか、人物設定や物語の構造に面白いものがあった。メイソンのキャラクターは露骨にジェームス・ボンド(ショーン・コネリーが演じている)だし。ハメル准将のキャラクターは『機動警察パトレイバー2』の影響があるんじゃないかなと思った。序盤の神経ガスの搬出のあとに、主人公の爆弾処理が描かれたり、「ロックへようこそ」というセリフが二箇所で描かれていたりと上手い部分がある。
でも、マイケル・ベイの演出って本当にくどい。このマイケル・ベイの演出って、日本のアクション映画から大河ドラマまで貫かれていて、本当に悪影響を与えているけれども、これが成功するのはハリウッドの物量と役者陣がいてこそのものだと思う。特に大統領が爆撃を決意するときの変な演説とか、時々カットインする彼女の様子とか。でも、終盤辺りは主人公がアルカトラズ島内を割りと自由に行動できたり、ハメル准将の部下が仲間割れしてからの人数が分からんとか、色々とアラが散見された。
ラストのあのプラズマなんとか爆撃って中性子爆弾だよね。岩場に当たって大丈夫でしたというオチはなんだかなぁ。もしかしたらカット部分に人質が助かった理屈が描かれているかもしれないけれど。あと、ラストのオチはなんだかなぁという感じだった。政府側の人間の判断ミスとか、誰も責任をとっていない終わり方も疑問が残るし、フィルムなんて見付けても別に……という。大味なバカ映画としてはそこそこのものだったと思う。ベイの映画だしね。