4月に観た映画ランキング!

というわけで、唐突に月間の映画ランキングをしてみたいと思います。「僕が4月に観た映画」なので新規公開作とは限りません。題名のリンクから、そのときの感想に飛びますので、興味がありましたらそちらのほうもお読みください。


【第25位】
GANTZ
安定の25位。人体から血は出る描写は(政治的な問題で)描かないのに、ネギ星人の子供をよってたかって攻撃するのは描くのはアリなのか。ババアと子供が意味もなく殺されるのはアリなのか。そして、テンポもチームワークもない戦闘シーンはアリなのか? GANTZGANTZらしさを無視した作品だと思う。特に前半は映画化しやすい展開だったのに、なんでこんなモッサリしたものになったのか。

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【第24位】
SPACE BATTLESHIP ヤマト
安定の24位。ちょっとどうかと思う少ない人数的スケールと、軍隊描写の甘さが際立つ作品だった。日本映画の身の丈に合っていない映画だったとも思うので、『GANTZ』よりかはチャレンジ精神はあるが、ダメさはこっちのほうが上かもしれない。ラストのキムタクと黒木メイサの行く行かない話は、心底どうでもいい。

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【第23位】
相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン
『相棒』って復讐で人を殺すことが割に合わないことを、かなり製作者が意識的に描いている作品であるのに、それを西田敏行の泣き演技で一発帳消しにしてしまうのはどうかと思った。でも、テンポ良く進むし、東京マラソンを舞台にした緊迫感も良かった。

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【第22位】
Mr.&Mrs.スミス
2大スター競演! という良さはあるものの、ブラピのキャラクターはタイラー・ダーデンにしとけよ! と思った。でも、アンジーの姐さんキャラと、ガールズっぽい組織は好き。この映画で2人が私生活でも夫婦になったことを考えると、映画史的にも重要だったりするのかな?


【第21位】
ハムナプトラ・失われた砂漠の都
テレビで観たのが悪かったのか、時間内に物語を収めるためにカットされた部分が多くて残念だった。ただ、特撮やロケセットは非常に良くできていると思う。


【第20位】
ライオンキング
ディズニー映画では名作なのかもしれないけれど、やはりここを境にディズニーカートゥーンが凋落の一途を辿ることになるのは、やはり物語的に洗練されていないからだと思う。ピクサーの単純だけれど力強い作品と比べればそれが一目瞭然。ミュージカルシーンはさすがにディズニーの魅力満載だった。


【第19位】
タイタンの戦い
騙されっぱなしのハデスをぶっ殺すよりも、ゼウスをこそぶっ殺せよ! と思う映画。モンスターとの戦いは圧巻。人間界のキャラクターもなにげに良い。

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【第18位】
トランスポーター2
下着姿でマシンガンを撃つ女殺し屋が素晴らしい! そしてそれだけ!


【第17位】
12ラウンド
WWEのレスラー、ジョン・シナが体当たり演技で死のゲームに挑む……という『スピード』の亜流。でも、ちゃんと撮影されている良い映画だと思った。「死のゲーム」系のサスペンス映画って、上の『相棒』でも思うけれど、よっぽどの理由がないと目的と手段が転倒している。あと、肉弾格闘シーンが一つは欲しかった。

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【第16位】
愛しのローズマリー
監督のファレリー兄弟って、かなりドキツイ笑いを指向するけれども、その根底には愛情に満ちた眼差しがあるんだなぁと再確認した。火傷の少女のシーンとかは素晴らしかったし、自分の中で起こる価値観の戦いが美しいラストに到る良い映画だと思う。


【第15位】
フレンチ・キス
気の利いたラブコメとはまさにこの映画のことを言うと思う。フランスの美しい風土と、メグ・ライアンの魅力と、怪しい大人顔の男達のドラマが素晴らしい。

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【第14位】
狼よさらば
街のダニどもは俺がぶっ殺す! という映画の新しいジャンルを切り開いた作品。メソッド的には完成されていないところもあるけれど、チャールズ・ブロンソンが顔と肉体だけで説得力を持たせる。

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【第13位】
バトルシップ
ハズブロ社のボードゲームを愚直に映画化。宇宙人と人類のガチ戦争、という非常に熱い物語に心が震えた。バカ映画だと思ったら、松岡修造的なバカ映画だったというお得さもあると思う。

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【第12位】
グリーン・ディスティニー
アジア的な韜晦と、人間離れしたワイヤーアクションと、なによりもチャン・ツィイーのペロペロしたい美しさが世界に轟いた作品。物語的には蛇足も多いと思うけれど、そこがオリエンタルな雰囲気を醸し出していて魅力にもなっている。とにかくチャン・ツィイーをペロペロしたい。


【第11位】
紅の豚
ものすごく好きな映画。宮崎駿映画の中では一番好きかもしれない。飛行機墓場のエピソードとかは、観る度に泣きそうになるんだよねぇ。ポルコ・ロッソのような男になりたい(外見はともかく)。

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【第10位】
未知との遭遇
スピルバーグって「日常の裏では想像を絶する物事が進行している……」描写が超上手い。メキシコの飛行機、中央アジアの船、インドの歌う新興宗教。その全てが「なにか飛んでもないことが起きている」という観客の期待感を異常なまでに増幅させてくれる。子供の演技もいいし、ラストはやっぱり感動的。トリュフォーが出演しているのも良かった。でも、中盤の主人公が山を作る場面はあそこまで執拗に描く必要があったのだろうか?


【第9位】
スナッチ
ものすごく好きな映画。特にオープニングの手際の良さは素晴らしい。物語的には『ロック・ストック〜』には到底及ばない出来だと思うが、好きな映画なので9位!

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【第8位】
アンストッパブル
暴走している列車をあの手この手で止めようと頑張る、という小細工なしな展開がとても良い。王道展開の良さを痛感する作品。小さなミスが大きな危機に繋がり……という流れはとても緊張感があって良かった。


【第7位】
イップ・マン 葉問
ブルース・リーの師匠の一代記、香港死闘編。永春拳の妙技と、サモハン・キン・ポーとの男の友情、そして最後まで積み重ねられる「西洋人汚い」「中国誇らしい」描写はエンターテイメント映画のド真ん中で楽しめた。でも、『イップ・マン 序章』では「西洋人汚い」が「日本人汚い」になって、しかもこの作品よりも面白いらしいので、観ようか観まいか悩むんだよねぇ。

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【第6位】
96時間
リーアム・ニーソンが娘をさらった売春組織に単身乗り込んで、皆殺しにするという男が観たらスカッとする映画。ストレス発散という意味ではこれ以上のものがあるか、というヨーロッパコープ映画とは思えない良い映画だと思う。


【第5位】
ファイト・クラブ
正直、オールタイムベストを選べと言われると、1位になってしまうけれども、4月に観た映画の中では5位。僕も意思の力でタイラー・ダーデンになりたい。

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【第4位】
スーパー!
冴えないオッサンが狂気の果てに正義の味方になるという、カタルシスがないのに、笑えて泣けて考えさせられる映画。オープニングのアニメーション、触手に頭を切り開かれるシーン、相棒との友情と分かれ、そしてラスト。全て味わい深い。

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【第3位】
ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
驚くほど大量に登場する強烈なキャラクターたちが織りなす複雑怪奇な物語には、「借金を返す」という単純で骨太な筋があって、それがために奇跡的に上手くまとまっている映画だと思う。とにかく軽妙洒脱で、自動車のドアの使い方も教えてくれる。

118456202

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【第2位】
冷たい熱帯魚
とんでもない日本映画を観た! という感じ。普通のおっさんなはずの村田が、その悪魔的な本性を露わにしたときから、ただただ唖然とさせられる展開が続く。人生の落とし穴ってあるんだなぁ〜と本当に戦慄した。これはたしかに「世界と戦える日本映画」だと思う。

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【第1位】
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
アメリカ人とんでもね〜」と戦慄する映画。とにかく不穏な雰囲気のままに進む石油王の一代記が、やがては彼を大怪獣へと変貌させる。『冷たい熱帯魚』のでんでんが悪魔なら、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・J・ルイスは大怪獣。アメリカ人と戦うということは、こういうメンタリティの男と戦う、ということなんだよなぁということが良く分かる。そりゃ世界を制するわけだわ。

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というわけで、4月に観た映画をランキングにしてみました。(超えられない壁)のところで、映画としての評価が一ケタ違います。16位から上は、誰にでも勧められる作品で、ほとんど優劣はないかな、という感じです。1位と2位は迷ったけれど、やはり映画的なスペクタクルは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のほうが上だったかな。