『ハムナプトラ・失われた砂漠の都』

テレビで鑑賞。



2時間ほどの映画なので、テレビで放映するときにはある程度のカットは仕方がないと思うのだけれど、それにしても序盤のチグハグさはちょっと難しかった。主人公のリック・オコーネルがなんでエジプトにいるのかも、誰と戦っているのかも、なんで刑務所にいるのかも解らない展開が続く。そこから色々あってハムナプトラに行くことになるのだけれど、船から飛び降りたらいきなりラクダで砂漠を旅しているし。


似たような作品として誰もが思い浮かべる『レイダース』と比較して、『ハムナプトラ』の特徴は人が簡単に死にすぎるところにあると思う。とにかく敵も味方も簡単に人が死んでいく。主人公は二丁拳銃で砂漠の遊牧民を殺しまくり、イムホテプはアメリカ人グループを殺し、カイロの警察署長とベニーは虫に食い殺される。インディ・ジョーンズって意外に人道的だったのか……と思うほど、引き金を引くことに躊躇のない映画だった。


物語自体は「復活したイムホテプを倒す」というそれだけのものだけれど、イムホテプ側の動機が深く描かれているのは面白いと思った。道ならぬ恋の相手であるアナクスナムンがエロくて良かった。一方、主人公側の動機が良く分からないのは問題だと思った。ハムナプトラには財宝がある、という当初の目的と、イムホテプを倒すという物語全体の目的を繋ぐ、明確な理屈があればもっと良かったと思うんだけれど……(エブリンが連れ去られるからいいのかな)


ミイラがどんどん出てくる終盤になると、細かいことはどうでも良くなって、映像を楽しむことができた。でも、この映画に2時間は長すぎだと思う。もっと話自体を単純化して、古代遺跡発掘と、わらわら出てくるミイラ男を撃ち殺しまくる映画に特化したほうがよかったのでは?