ツイッタードクトリン

ツイッターと「読ませる」ための宣伝効果について
【実際、どれくらいの効果があるのか?】
ピンボール効果】
【声の大きさが人を動かす】
の3点で語りたいと思います。


僕はツイッターをしているのですが、現在、フォローが2600人、フォロワーが2900人になっています。積極的にフォローを増やしていた結果、この規模の数と「繋がる」ことができました。もちろん、ブロックをしている人や、もうツイッターから離脱しているアカウント、個人の複数アカウント、商業目的などなどがありますので、実数はよく分からない部分があります。ですが、ツイッターの利用者で小説を書いている人(プロは除く)はほぼ網羅的にフォローはできているのではないかと思います。


今、SNSをやる上で、一番ネックになっていることは大きく2つあると思います。一つは「それってなんの役に立つの?」、もう一つは「フォローとフォロワーを増やすことに意味はあるの?」という疑問です。この2つは僕も思っていたことでした。ツイッターって楽しいの問題は、実際にやってみないと楽しさが分かりませんし、それを語る本や雑誌はたくさんあるので今更語ることはないと思います。問題は、もう一つの疑問、フォローとフォロワーを増やすことに意味があるのか? という点です。


もちろん、世の中には「小さなコミニティで纏まりたい」という人たちがいます。そういう人たちはチャットでもしてればいいじゃん、と思うのですが、ツイッターは自由度の高いツールでどういう使い方もできるので、それを否定することはできないと思います。どころか、日本でのツイッターの使い方は「簡易チャット」としての利用が大部分じゃないかとも思います。そういう方々に向けては、実際のところ「フォローとフォロワーを増やす意味はない」です。


さて、僕は小説を書いているのですが、ツイッターを自作小説の宣伝に使っている人というのもたくさんいます。ツイッターにはRTという一見便利な機能があって、フォローとフォロワーが例えば50人くらいでも、RTの波に乗ることができればあっという間に何万人ものツイッターの利用者に自分の声を届けることが(理論上は)可能になっています。今、出版業界は冬の時代で、プロの小説であっても読まれづらいのに、誰が好きこのんでアマチュアの小説を探し出して読むのか……という問題があり、宣伝をすることで少しでも自分の作品を人の目に触れさせたい、そしてあわよくば感想と評価をもらいたい、というのは僕は「正しい」ことだと思います。


ですが宣伝の効果となると、曖昧模糊なものになっていると思います。【拡散希望】と銘打っていても、それが劇的な閲覧数の向上に繋がったという実感を持つ人はあまりいないのではないでしょうか?


【実際、どれくらいの効果があるのか?】
例えば僕が【拡散希望】と銘打ったとき、どれくらいの人が反応してくれるか。これは僕は明確に1%であると考えます。つまり、僕のフォロワーは2900人なので、29人が反応してくれる、という試算になります。これは、僕のブログの閲覧数(このブログでは映画の感想なんかも書いているんですよ)を観ていると、ほぼ納得の数字であると思えます。僕がブログで映画の感想を書いて、ツイッターで宣伝をすると、1日の閲覧数が50人くらいにはなります。細々としているので、この程度のものかなと思います。


しかし、僕が宣伝をするから1%であって、もっと有名な人間が宣伝した場合はどうなるか……というと、これも驚くことに1%しか動かせない、ということが分かりました。実は、少し前に佐藤秀峰さんの本の感想を書いたときに、岡田斗司夫さんがツイッターFacebookで僕のブログを紹介してくれました。岡田斗司夫さんは今、「評価経済ニュース」というキュレーションをしていて、その目に止まったのでした。このときは1時間で1日の閲覧数を、2日で1ヶ月の閲覧数を越えてしまいました。1日で665人もの人が僕の感想を読んでくれて、この数字だけを観ると「宣伝効果あるじゃん!」と一見見えます。


しかし、岡田斗司夫さんのツイッターのフォロワーは55000人であること、他の方がRTしてくれたことも考えると、やはりツイッターの宣伝効果は1%であるというのは具体性のある数字だと思います。もちろん、ブログの文章を読むだけの「宣伝効果」なので、モノを売るときの宣伝効果はもっともっと低くなると思います。また、巨大なフォロワーを抱える有名な人が、他人の文章を拾い上げるというのは、よっぽどの幸運がないと難しいです。


ピンボール効果】
上記のことを読むと「有名人にRTしてもらうのは大変だけれど、連鎖式にRTしてもらえれば匹敵する宣伝効果が得られるのでは?」という考えが浮かびそうです。フォロー、フォロワーが少ないのに【拡散希望】と書いて宣伝をするのは、この考えを基礎に置いていると思います。ツイッターの機能を利用した、SNS的には上品な方法であるとも言えます。フォロー、フォロワーが多いアカウントにつきまとう、「下品さ」「俗っぽさ」と比較して、RTは洗練されていそうです。


しかし、僕はこの「RTによる宣伝効果」というのは限定的だと思います。というのも、同じ趣味を持った人間が集まるクラスタには【ピンボール効果】があるからです。【ピンボール効果】というのは、「フォロワーがフォローしている人は、自分もフォローしている人なので、宣伝が小さなサークルで跳ね返るばかりで、外に広がっていかない」という状態のことを言います。特に、100人以下の小さく纏まっているアカウントでは、この傾向が顕著であるように思います。


さらに、宣伝をRTしてくれる人は、自分とある程度繋がりがある人だけなので、連鎖的なRTが波紋のように広がることは難しいです。そもそも、連鎖的なRTはネタツイートや有名人のツイートばかりだったりします。有名人のツイートは前述の通り巨大なフォロワーを抱えているのでRTされやすいです。このことについては、後で言及します。


では、【ピンボール効果】をどうすれば打破できるのか。一番手っ取り早いのは「別のクラスタの人と繋がりを持つ」ことです。僕が思うに、同じ趣味を持つ人よりも、違う趣味を持つ人との繋がりをこそ重視すべきです。そうすることで、RTの正常な波紋の広がりが期待できるからです。別に趣味が合わない人と繋がっても、あなたの宣伝に反応するのは1%しかいないので大丈夫です。もしかしたら、そういう人の中に、あなたの小説(や創作物)を「面白い」と言ってくれる人がいるかもしれません。


【声の大きさが人を動かす】
政治の世界では「声の大きい人間が牛耳る」というような話がありますが、ツイッターにも似たような傾向があると思います。ツイッターでの声の大きさはフォロワーの数です。僕と有名人のツイートに反応してくれる人は1%だとしても、2900人では29人しか動かず、55000人だと550人も動きます。


ツイッターでなぜ声の大きさが重要かというと、「人間は知っている人の声にしか反応しない」からです。RTによる宣伝効果が限定的なのは、この問題もあると思います。自分がフォローもしていないし、フォローもされていないアカウントからの【宣伝】に誰が反応してくれるのか、という問題です。繋がりが意識できる人間に対しては、人はとても良く反応しますが、そうでなければ素通りするのが常でないでしょうか。


ここにフォローとフォロワーを積極的に増やす意義があります。「声が大きければ、大きいほど反応がある」からです。僕の感覚では、(それ以前に知り合っていた人以外で)ツイートになにかしらの反応を期待するのであれば、800人以上でそれなりの反応が出てくるみたいです。あと、「有名人にRTしてもらうとどうか?」という視点もありますが、やはりRTでは言葉の力は削られていくと思います。もちろん、岡田斗司夫さんのように、有名人の言葉で紹介してもらうと強いです。


【まとめ】
ということで、【宣伝効果はフォロワー数の1%】【ピンボール効果を打破しよう】【直接の繋がりに人は反応する】の3点を踏まえれば、小説を読まれるための宣伝ができると思います。でも、宣伝した結果、感想なり評価を得るためには、大前提として「面白い小説を書いている」ことが必要なのですが。