『フレンチ・キス』

スカパーで鑑賞。

フレンチ・キス [DVD]

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メグ・ライアン主演のラブコメメグ・ライアンって『羊たちの沈黙』のクラリス役を断っているんだねぇ。レクター博士と対峙するメグ・ライアンって絵面が想像できないが、たぶん、失礼なことを言った瞬間頭突きをするとか、そんなイメージしかない。


婚約者が旅先のフランスで別の女性に奪われてしまい、メグ・ライアン演じる主人公のケイトは飛行機嫌いにもかかわらず婚約者を取り戻すためにフランスへ行くが……という話。メグ・ライアンの天真爛漫な魅力を堪能するために、すべてが計算されている映画だと思った。男たちがことごとく胡散臭い。良い顔をしている。


ストーリーは主人公側の動機としては婚約者(荷物)を奪い返すことで、相手役のリュックは主人公が持っているネックレスを得るために呉越同舟の関係が続く。この辺りの、出会いからの話の引っ張り方が上手い。でも、行動を一緒にするストーリー上の理由はあっても、実際の説得力は役者たちのキャラクターに負わせているところが興味深い。この映画の登場人物はみんな「この人ならありえそう」という感じなんだよなぁ。


メグ・ライアンのコメディエンヌぶりは本当に魅力的。この映画のほとんどは、メグ・ライアンの笑顔と、それを取り巻く男たちのドタバタを楽しむためのものだと思う。リュックの憎めない小悪党キャラもいいし、美味しいところを持っていくジャン・レノも素晴らしい。飛行機ではじまり飛行機で終わる展開も良かった。


あと、話の展開とは関係なく、フランスの観光地が出てくるのも良い感じだった。異国での恋愛なのだから、やっぱり有名なところは見て回りたいよね、という感じ。でも、パリの街並みよりも、リュックの故郷のブドウ畑のほうが魅力的なんだよね。満足感の高い映画だと思う。