『リトル・ダンサー』

シネフィルで鑑賞。

リトル・ダンサー BILLY ELLIOT [DVD]

リトル・ダンサー BILLY ELLIOT [DVD]

イギリスの『将来のない炭坑映画』にハズれなし。
主人公の少年がバレエダンスに興味を持って、スクールに通う内に才能を開花させて、バレエ団のオーディションを受けるという内容。最初の部屋で飛び跳ねるシーンから、主人公の「踊りたいパッション」が良く伝わって、ボクシングからバレエに移る流れがわりとスムーズに展開できている。
11才の子供目線のセックスという、かなり危うい部分にも大胆に踏み込んでいて、近所の道路に立つ女の子とか、主人公のゲイの親友とか、バレエの先生の娘とのシーンとか、あらゆる部分にセックスを連想させるものがあるけれども、そこに行きそうで行かないところが主人公の気高さの表現になっているなぁと。
あと、イギリスの炭坑映画おなじみのストをするしないの描写があって、今作では息子の将来のためにスト破りする父親の行動が涙を誘う。あのバスに乗って炭坑に行くシーンからの父親の心情吐露は本当に良いと思った。父親の表情もいいんだよな〜労働者階級の頑固な炭坑夫って感じで。個人的には婆さんが良かった。バレエ団からの手紙が来たときの、椅子に座るスピードとか。
映画映像的には大胆な時間の経過や、突然出てくる母親、「やめて!」と叫ぶ主人公がスローモーションになっているところなどが面白かった。