『ヒューゴの不思議な発明』
- 作者: ブライアンセルズニック,金原瑞人
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: ペーパーバック
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父親を失い孤児になった少年が、遺品の自動人形の修理をすることで、忘れられた映画作家と失われたフィルムを発見する……と言う話。題名とは違い「不思議」も「発明」もないというのはご愛敬ということで。
孤児の少年が、(キック・アスのあの)少女と出会い、手を取り合って大冒険をするという「良くある」物語。たぶん、アカデミー賞の作品賞にノミネートされたのは、メリエスと月世界旅行の映画史映画の部分が大きいように思える。あと、スコセッシがファミリー向けの3D映画を撮るというビックリなところがウケたのか。僕は孤児の少年が少女を本屋に誘い、そこでエロ本を見せて、ボッコボコに殴られるという展開を想像したけれど、それはなかった。
なんか、観ていて「これでいいのか?」と思う展開が多い話だった。父親の遺品のノートが結局うやむやになっていたり、保安官が孤児を孤児院に送ったり、そもそも駅の人々の人間模様が中途半端だったりと、なんだかシナリオが微妙すぎると思った。メリエスの失意をどうにかしようとするヒューゴの動機もちょっと説明不足のような。 あと、メリエスが昔作った思い出の品々を暴かれてショックを受ける描写があるけれど、あれってヒューゴが大切にしている父親のノートを返す返さない燃やす燃やさないの話を観た後では、「それ、自業自得じゃねーか」としか思わなかった。その辺りは配慮がほしかったかな〜ファミリー向けなら(^_^;)
あと、スコセッシはたぶん初めてのファミリー向け映画というこで、宮崎アニメを相当研究したんじゃないかと思う。保安官のビジュアルとか、あれ、ジブリ映画によく出てくるし。
一方、映画史映画としての部分は面白かった。汽車の映画で驚く人々の反応とかニヤニヤした。