『アジョシ』

アジョシ スペシャル・エディション(2枚組) [Blu-ray]

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近くの名画座でやっていたので、噂のウォン・ビンがどんなものかを観に行ってきました。
結論……半端ない。

【ストーリー】
近所の女の子を攫われた元秘密工作員のテシクが、臓器売買組織を牛耳るマンソク兄弟の一味を皆殺しにする。

【感想】
ウォン・ビン! 恐ろしい……この黒豹の肉体。
久々に物凄い映画を観たという感じでした。もう見所はありすぎて数え切れないくらい。まず、ウォン・ビン最高!あの割れた腹筋を見ると、男の僕でも「ご、ゴクリ……」となってしまいます。黒いスーツで身を固めた姿はまさに黒豹。臓器売買組織のマンソク兄弟も最高!エグい、ひたすらエグい奴らです。こういう奴らがぶっ殺されると「最高!」と思えます。ベトナム人殺し屋も最高!敵側最強にして唯一人間味を見せる人物。小さな演出の一つ一つでキャラ立てがされていて素晴らしい。
子役もすごく良かった。臓器売買組織に捕らえられた子供たちがひたすら可哀想。女の子の薄幸そうな表情もいいし、そんな女の子の頭をゴスゴス押すのも、「日本じゃできそうにない……」と思えました。とにかく、こんな世界が隣の国にはあるのか!と戦慄した。日本には……ないよね!たぶん。あと、ババア最高!あの憎たらしいババア描写は素晴らしい。あいつぶっ殺せよ!とカップラーメンを啜るシーンでマジで思った。警察の頼りにならなさ具合も最高(でも、いい顔してるんだよなぁみんな)。
この映画ってブルース・リーセガールに代表される「破壊神映画」なんだけれど、ここまでウォン・ビンがカッコよすぎると、もうなんか唖然としてしてしまう。ラスト、マンソク兄の手下をナイフで殺しまくる描写は凄まじいの一言。それまでウォンビンが暴れる描写は省略して、目の当たりにした人間がパニックに陥るのを見せるだけなんだけれど、あんなエゲツない軍隊仕込みのナイフ格闘を目の当たりにしたら、そりゃパニクるわ。グサグサ刺しまくる、ザクザク切りまくる描写はヤバい。ラストの防弾ガラスに守られたマンソク兄をどうやって殺すか!のところも、破壊神映画の「押して参る」の精神がある。
アクション映画を見ていて、これほど「悪いやつがぶっ殺されてスカッと爽やか」な感じがする映画は久々かもしれない。悪役の人間おちょくり感がスゴい良いんだよねぇ。「おちょくって人を殺すよーん」という、悪役の救いのなさが描かれていて素晴らしい。死ね!こんな奴ら死ね!という観客の気持ちを、超かっこいいウォンビンがぶち殺しまくるという、素晴らしい映画でした。あと、個人的に好きだったセリフはヤクザの組長の「人体の神秘展に送るぞ!」という脅し方と、少女がトレーディングカードを渡して、それが「ダークナイト」という名前というところが良かったと思う。
個人的には、この映画は「韓流なんて〜」と穿った見方をしている人にこそ観てほしい! と思います。憎たらしい韓国人が皆殺しになるので、物凄く気分爽快になれること請け合い。そして、韓国映画のレベルの高さと、日本映画ではできないハード描写に、彼我の差を痛感してしまうことと思います。