『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』

ガイ・リッチー印のシャーロック・ホームズ第二弾。

19世紀末のロンドンで名探偵ホームズと助手のワトソンが、宿敵モリアーティ教授の陰謀を食い止める。
ネタバレすると『最後の事件』を相当に脚色した映画。

【見所】
モリアーティ教授のえげつなさ。最初、普通のおっさんがモリアーティ教授を演じているので「大丈夫かなぁ」と思ったが、そこはそれでちゃんと犯罪界のナポレオン的なえげつなさがちゃんと出ている。彼は20世紀の負の側面を先取りした人物として描かれていて、その陰謀も実に20世紀を先取りしたものになっている。まさに「20世紀壮年」のともだち。

ホームズとワトソンのホモい相棒描写。舞踏会のシーンは露骨すぎて笑える。ワトソンのしょうもないハングオーバー描写は素晴らしかった。ホームズを演じたロバート・ダウニーJrは、列車のシークエンスで変装した口紅がジョーカーみたいで、もしバットマンでジョーカーが再登場するならダウニーJrじゃないかと思った。

子馬に乗るホームズが可愛い。

ガイ・リッチーっぽさも随所にあって面白い。銃を撃つときのコマドリ映像、最初と最後に出てきた迷彩は本当にニヤッとさせられる。変人がたくさん出てくるところも、ガイ・リッチー的で良い。

【残念なところ】
モラン大佐といえばダムダム弾なのに、その描写がない。

冒頭に出てきたインド系大男の出番があれだけ。

冒頭に出てきたアイリーン・アドラーの出番があれだけ。

やっぱり20世紀的描写(武器庫のシークエンス)はホームズとは相性が悪いような気がする。

ホームズが前作と比べて悪(モリアーティ教授)との対決姿勢が強いので、前作テイストからすると、ちょっと「あれ?」と思ってしまう。アイリーン・アドラーの件があきらかになるまで、そこはあやふやにしておいたほうがいいのでは? と思うのだけれど……