『ベストキッド』

往年の名作のリメイク版。主演はジャッキー・チェンジェイデン・スミス
話としては過去作の『ベストキッド』をかなりリスペクトしていると思うけれど、過去作のほうの細かい部分は忘れてしまった。過去作では空手を習う話だったのが、今作ではカンフーになっている。師匠役の人がパット・モリタから動けるジャッキー・チェンに変わったことで、武術の達人というキャラクターに説得力が増していると思う。ジャッキーのアクションシーン、悲しい過去を明かす泣き演技もグッとくる。
で、敵役となる中国の武術クラブの描き方なんだけれど、こんな奴らがいるか! と思ったけれども、最近のバスケの乱闘事件とかを見ると、中国の行き過ぎた勝利追求主義の弊害が良く表現できているのではないか。中国の人はこれを見て気分を害するかもしれないけれど、反論はできないのではないかなぁと思う。

バスケット=米中の親善試合、一転して大乱闘に発展
[北京 19日 ロイター] 米バイデン副大統領の訪中と機を同じくして開催されたバスケットボールの米中親善試合が18日、当地の五輪スタジアムで行われ、米ジョージタウン大学と中国プロの人民解放軍所属チームとの対戦は、観客が入り乱れての大乱闘に発展した。

なんというか、映像を見ると暴力を制止できないという感じがありありと見て取れる。
映画としては敵方のコーチとジャッキーが最後に戦うような展開があっても良かったのでは……と思う。というのも、勝利至上主義の完全否定が決勝戦では描き切れていないような気がするから。最後、敵役の少年もジェイデン・スミスを讃えるのだけれど、コーチはこれというペナルティがないんだよねぇ。蛇足になるかもしれないけれど、ここはちゃんと描いてほしかった。