『エンジェル・ウォーズ』

観に行きましたよ『エンジェル・ウォーズ』
2011年最大の中二病映画でした。まさに中学二年生が妄想するがごときの映画。大人の男にも眠っている少年の心が震えてしまいました。



中二病映画】
君は、セーラー服の女の子が日本刀を振り回すのを妄想したことがあるか?!
君は、サムライ、ドイツ軍、ドラゴン、ロボット、というキーワードに胸がときめくか?!
君は、女の子が望まない仕事に従事しているという設定にエロ心に火がつくか?!

その答えがここにある!!

というわけで、『エンジェル・ウォーズ』は『300』や『ウォッチメン』で名を馳せたザック・スナイダー監督が、己の中二病心を臆面もなくさらけだした映画です。男の子の妄想を、アメコミの映画化マエストロが心血注いで映画にすると、ここまで無茶苦茶で楽しくて血湧き肉躍るものになるとは! 巨大なサムライ、ゾンビドイツ軍、ドラゴン、ロボット、娼婦の館と、そのチョイスの一つ一つに『分かってる』感が漂います。

物語の見所は、やっぱり派手なアクションシーン。巨大なサムライはガトリングガンをぶっぱなし、ゾンビ化したドイツ軍と塹壕戦を戦い、ドラゴンとの空中戦は『ロード・オブ・ザ・リング』か『ドリフターズ』かという感じ。個人的に良かったのが、ドイツ軍がナチスじゃなくて第一次世界大戦のそれだということ。ヒンデンブルグが飛び、フォッカーが飛び、塹壕が張り巡らされ、鉄兜を被ったガスマスクのドイツ兵が飛び掛かる。ストーリー? 何それ? 美味しいんですか? 細かいことはいいんだよ!

え〜、まあ真面目に語ると、中二病映画は妄想の実体化なので、ストーリーなんてなくてもいいのです。妄想が実体化すれば、それでいいのです。女の子が日本刀を振り回して、ゾンビのドイツ軍を斬りまくる絵が撮れればいいんです。みんなそれが観たいんです。じゃあ、俺が見せてやろうじゃないか。と、ザックは思ったはず。そういう欲望は作り手として本当に良く分かるだけに、「あ〜やっちまったな〜」と、「さすがザック! 俺たちができないことを〜」の両極端の感想を思いました。

【ここをちょっと】
主役の女の子をもっと可愛い人をチョイスしてほしかった。
タイトル、原題のままでいいじゃん。

【個人的なツッコミ】
助言を与えるワイズマン役の男は、ザック・スナイダーの分身だろうと。
それはそうと、スイートピーとベイビードールは同一人物なんだろうな〜と思った。両者とも妹が死んでしまうし、ラストでバスがパラダイス(看板に書かれていた)に行ってしまうところとか。深読みのしすぎかな?