数学本

その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める

来年のワインの善し悪し、ある政策がどのような効果をもたらすか、教育における効果的な手法は。こういうことは、今までその分野のプロが経験と実績と山勘で戦略を決めていたが、近年はコンピュータによる膨大な統計データと絶対計算の手法の発展により、誰もがかなりの確率で戦略を立てられるようになった。ということを紹介している。マーケティングの分野では、たとえばDMの表紙に笑顔の女性の顔を貼るか貼らないか、顧客への訪問件数はどれくらいの周期が適当か、といったことへのヒントになると思う。当然ながら、こういう手法は理解ある経営者と、能力を持った社員がいないとなかなか実践に移せないわけで、「言うは易し、行うは難し」の最たるものだ。でも、工夫一つで何とかなるとも思うけれどね。
数学で犯罪を解決する

数学で犯罪を解決する

連続強姦魔が次に犯罪を犯す場所は特定できないが、彼の住んでいる場所は特定できる(かもしれない)。という、犯罪捜査と数学が密接に繋がっていることを明かしてくれるのが『数学で犯罪を解決する』だ。最初に書いた例で言えば、犯罪現場をマーキングして一定の行動パターンを解析することで、犯人の住んでいる場所を推定するという手法で、アメリカではそれ用のソフトウェアまで開発されているらしい。こちらも上の絶対計算を利用しているところが多々あり、やはりこれからの勝敗は「手法を使うか使わないか」でかなり差がつくような気がする。