『サルまん 21世紀愛蔵版 上下巻』

風邪を引く前日に行った百貨店で偶然発見。そのまま購入。安い買い物ではなかったけれども、値段以上の価値があると思った。連載中は何度か見かけたことはあったけれども、こうして通して読むのは初めて。連載時期がかなり過去なので、語られる内容も(少しは)古臭いものもあるけれども、本質は今でも変わらないんじゃないだろうか。21世紀愛蔵版には萌えとラノベを語るオマケもついている。
内容は、相原コージ竹熊健太郎の二人が、漫画というものはサルでも書けるんだということをレクチャーする奇書で、その名もずばり『サルでも書ける漫画教室』。ストーリーの作り方、設定の作り方、キャラクターの作り方、ペンネームのつけ方、枠線の引き方、つじつまの合わせ方、各ジャンルの壺、編集との付き合い方などなど、これを読めば本当に何かしらの形として、漫画が書けてしまいそうだ。
時代と合っていないと思ったところは、串団子方式の弊害による「強い奴のインフレ」を解決不可能と書いているところ。これの解決方法として『能力バトル』という概念が生み出され、全盛となっているので、愛蔵版を機に加筆集成してもらいたかった。あと、ジャンルについても推理モノがないので、こちらの考察も新たに入れてほしかった。

表紙は人を選ぶが、中身も絵も人を選ぶ。だけど、やはりちゃんと読むべき作品だと思う。