喜界島の話とか

上の話は、小泉純一郎とその仲間たちが「象徴天皇制」から「象徴靖国制」に国のあり方を変えようとしているのではないかという考察。と、言っても憲法とか日本人の天皇観とか、非常に難しい方程式を解かなければならないけれども。ウルトラリベラル(←世界的な基準でいうリベラル)として登場した小泉純一郎の最終目標は、政治性も精神性もない「ただそこにあるだけの」皇室ではないだろうか(今の徳川家のように)。そう考えると、憲法改正に伴う諸事をどう通すかになるのだが、例えば【A級戦犯分祀】【女系天皇にすることで右翼的な人々の求心力を低下させる】【宮内庁の縮小】【対外諸国との軋轢を演出することで、国民国家の意識向上させる】【憲法改正】【天皇制から靖国制へ】【国軍復活】は「新たな日本観の提示」という一つの道筋によって進められると思う。
そういうわけで、右翼は靖国参拝に反対を、左翼(諸外国と関係のある人とか)は靖国参拝に賛成するべき。中国なんか下手に首脳会談しないよりも、小泉純一郎と会って真意を聞くなりすればいいのに。中国共産党と小泉自民党が対立する根本的な原因は、実は存在しない(東アジアの覇権争いという大問題はあるけれど、大問題すぎてどうとでもなる)だけに、ある日突然「日中友好」という話にもなる可能性は高い。
話は変わって。
読売新聞で掲載されていた喜界島の考古学の成果の記事が面白かった。喜界島では9世紀から11世紀にかけての遺跡が発掘されていて、それがどうも日本の出先機関のような機能を持っていたらしい。9世紀から11世紀といえば、遣唐使も廃止されて、国風文化が花開いた時期で、それなのにどうして南の島に出先機関を持つ必要があったのかという疑問が芽生える。実は琉球から奄美までの地域は、夜光貝という螺鈿の材料になる貝殻の貿易が盛んで、その安定的な供給を満たすために、出先機関を喜界島に置いたのではないかということらしい。貿易は北でも南でも盛んに行われていたので不思議な話ではない。重要なのは喜界島に置いた出先機関という「権力」が、その後の琉球王朝の成立と何かしら関わっていたのではないかということで、これは後の研究待ちのところではあるけれども、面白い視点だと思った。日本は中央の統制が利かなくなると、小国や組織に大分裂する傾向にあるので、あながち荒唐無稽とも言い切れない。