桂三枝

なぜか桂三枝師匠の落語を聞きに行く機会がありまして、今日、寄席を見に行きました。昨日は社交ダンスでボロボロになりながら、今日はここで落語と東奔西走の活躍ですが、やはり吉本興業の超VIP(上方落語協会の第六代の会長でもあります)な芸人の話芸は一味も二味も違うなという印象です。寄席は桂三金桂三枝→桂三歩→桂三枝の順番で行われまして、古典落語ではない新作落語を披露していました。古典落語には古典落語の味があるのですが、将来の「古典」となるべく創作落語もなかなか面白いものです。落語家としての桂三枝師匠は古典落語をせず、創作落語のみをすることで知られています。また、『桂三枝創作落語125選ファイナル』など、最近の落語ブーム・創作落語ブームの土壌を築いたといっても過言ではないでしょう。
というわけで感想なのですが、師匠と弟子の力量でいえば雲泥の差というのをここまで見せつけるかという内容だったと思います。弟子の落語は、笑うまいと思えば笑いを止めることができるのですが、桂三枝師匠の落語は我慢しきれずに笑ってしまうことが何度もありました。特に最初の【塾の宿題を父親が見るが解らない】という話は、導入からオチまで笑いの連続でした。会話のみで話が進むのに、舞台がコロコロ変わるのも新鮮でしたし、それを成立させる噺家の力にも驚きました。ちなみに社交ダンスについては、「60を超えているのに仕事を選べよ」と医者に言われたそうでw 前屈みになる落語と、胸を張らなければならないダンスの違いに苦労したと言っていました。
で、家に帰ってみると『笑点』がやっていて、来週は円楽師匠最後の大喜利があるようです。考えてみると、伝統的な話芸みたいなものが最近は廃れつつあるような気がします。メディアの露出という点で見れば、落語などを目にする機会は『笑点』とNHK教育を外せばほとんどないかもしれません。それでいいのか? と思ったりします。半端な芸人が半端なまま文化人を気取るような風潮から、本当の「芸」を見る力を養うような環境にならないでしょうか。