『トム・ヤム・クン!』

今日公開の映画! 『トム・ヤム・クン!』を見ました!
ストーリーは「盗まれた象を取り戻す」ただそれだけです。それだけのためにトニー・ジャーの古式ムエタイ殺法が炸裂しまくります。格闘技のレベル的に言えば『マッハ!』とどちらが凄いんだろうか。う〜ん、やはりワールド・ワイドになったぶんだけ『トム・ヤム・クン!』のほうが凄いのかな。でも、トニー・ジャーは「象を返せ!」としか言いません。徹底的な肉体主義。螺旋階段での乱闘をロングショットで撮影する当たりから、物語は俄然ヒートアップします。恐ろしい膝蹴りと肘撃ちの嵐。そして寺院でのカポエラ使い、刀使い、ネイサン・ジョーンズとの三連戦! これを見て燃えない男の子はいないと断言しても良いでしょう。ていうか、このシークエンスはもしかして「鉄拳」を意識しているのかなぁと思った。
思ったついでに気付いたこと。
①古式ムエタイの関節技は非常に危険
返し技が多いみたいですが、動きの中でボキボキ折ってます。関節→打撃→投げとかの殺人コンボもあったし。まさに戦場のムエタイ。首を掴んでの膝蹴りが、恐ろしい角度で腹部に命中し、敵の身体が浮かび上がる。ラストの真空跳び膝蹴りは「どうなるんだ〜!」と本気で思った。
②途中のCGは微妙
ピーター・ジャクソンの超絶CGと比較して。これは別になくてもよかったのではないかと、そういう気もしないではないが、タイのCG文化育成のためなのかなとも思う。
カポエラvsムエタイ
これは凄かった。武道としてのカポエラを見るのは初めてだったし、それがムエタイと噛み合っているというのも驚いた。最初のカウンター気味の変則キックから始まり、トニー・ジャーの一度目のダウンのところまではカポエラ使いの見世場で、格闘ゲームも真っ青の動きを披露してくれる。
ネイサン・ジョーンズは強い
『SPIRIT』のネイサン・ジョーンズはなんだか微妙な弱さでしたが、『トム・ヤム・クン!』のネイサン・ジョーンズは強い! 恐ろしく強いです。アドレナリンが噴き出ている描写も凄いし、プロレス技も惜しみなく披露しています。ネックハンギングツリー→床に投げ付けるとか、リフトして柱に投げ付けるとか、タックルで吹っ飛ばすとか、さらにトニー・ジャーの攻撃を全て受けるとか、ゴメンナサイ、過小評価していました。絶対ジェット・リーより強いです。

不満な点は、ジャッキー・チェンと戦わなかったこと(拳を交差させるとかしてほしかった)。敵にムエタイの使い手を出してもらいたかったことくらいか。タイの場面でムエタイの強い人と戦う描写があれば、もっと全体が引き締まったと思うのだが。