竹島とかの話

竹島周辺の海域を調査するとかしないとかで、大騒ぎが続いているけれども、韓国と日本が黒ヒゲ危機一髪みたいな状況で神経戦を繰り広げているというのは、バカなようだとか、いい加減にしろだとか、そういう感情しか湧いてこない。アメリカとイラクの睨み合いのように、解決策がないままずるずると行く可能性が強いと思う。結局のところ、日本が竹島に対して先手を取らなかったことが問題になっていて、早く動いていれば島根の漁師も死なずにすんだだろうし、コンセンサスの一致を見ることができたかもしれない。ここにきての大問題は、第一に歴代の日本政府の怠慢があり、第二に外務省の怠惰があって、第三にそれに乗じた韓国の横暴があるわけだ。しかしながら、今の段階でようやく重い腰を上げたことに、一定の評価もしたい。手遅れになる一歩手前で動くことができたのだから。動く、というのは大切なことだ。それによって問題解決の糸口が見えるかもしれない。
政治学では「国民主権の民主主義国家同士は戦争をしない」という理論があって、それが今日のアメリカ外交の基本理念になっている。アメリカはなぜ他国に民主主義を押し付けるかというと、民主主義によって平和が保たれると(本気で)考えているからだ。が、韓国と日本というアメリカの同盟国(しかも一方は平和憲法付き)が、今こうして戦争の危機にあるという事態を見れば、そういう理論も相手によりけりではないかという気がしてならない。韓国なら満場一致で日本に宣戦布告するだろうし、後先も考えていなさそうだ。仮にも国連事務総長を出そうかという国が、戦争も辞さない発言をするのはいかがなものか。しかし、①竹島領有の理由がない(国際裁判所に出るのを拒否しまくり) ②韓国軍はアメリカ軍の指揮下にある ③韓国経済は溺死寸前 ④そもそも北と南に敵を作る余裕があるのか ⑤日本国内はそこまで熱くなっていない……ということを考えると、無茶なのは言葉だけのプロレスなのかもしれない。
竹島問題には一方には領土問題、もう一方には文化的な問題が潜んでいると思う。領土問題に関しては、幾分か政治的な決着を図ることができるだろう。この問題に関して、韓国は日本ほどに選択肢を持っているわけではない。武力と脅しに頼るということは、それ以外の方法がないことの証拠だとも言えるだろう。例えば、竹島周辺に関することは五十年区切りで凍結し、島根の漁民へは補償、そして漁業は双方が行えるようにするとか。そういう提案をできる立場にいるのは日本だし、アメリカも妥当な提案と受け入れるだろうと思う。で、もう一方の文化的戦いに関しては、気の長い冷戦を覚悟する必要がある。一昨年の「日本海」を「青海」にしようという運動、数々の起源説、そして反日、これらに対する防御と逆撃の方法を考えなければならない。相手が無茶苦茶であれば、こちらは正攻法を守るというのがあらゆる事柄に共通するセオリーだと考える。