スフィンクスと睨み合い

asaikeniti2006-04-11

雨が沢山降っていて、昼だというのにかなり暗いです。雨の日はズボンの裾が濡れるので、あまり出歩きたくないんですよね。とはいえ、一日中家にいたら、それこそ身体が腐りそうになるので、ここは頑張って外出する。それはともかく、僕の行動範囲で本屋がどんどん潰れています。少し前にも地域の老舗本屋が店を閉めてしまいましたし、そうなると大型書店だけになってしまうんですよね。本屋が一つしかないのはかなり問題があると思う。例えば本を探すということができなくなるし、大型書店といっても巨大ビルに何階もスペースを取って、本を提供するような店ではないからなぁ。それに、老舗本屋はかなり特殊な本も取り扱っていたし、時代の波とはいえ、難しい時代になってきたのかなぁと寂しくなる。しかし、まあ僕の住んでいる地域は、本当に文化を殺すのが上手いなぁとそこだけは感心してしまうのだった。
と、ここで思うのだが、活字を読むということに対する振興策を官民あげて取り組むべきではないだろうか。本を読むと言うことの利点、知識を蓄えることの素晴らしさを、もっと啓蒙する必要があるだろう。それと、活字離れが叫ばれて久しいが、それは読む側の問題もあるだろうが、書く側の問題もあるかと思われる。魅力的なコンテンツを作ればそこに人が集まるのは当然のことで、それを考えると書物に携わる職業人は、他のクリエイティブな職業人と比べて一歩も二歩も後れを取っていると感じる。かつては読書は唯一の知的遊戯だったが、今は多数の中の一つに過ぎない。アドバンテージは歴史の長さであるが、クリエイターが(映画・マンガ・アニメ・ネットなど)他の魅力的な選択肢に流れるのと反比例して、一級のものを生み出す人も少なくなった。僕は思うのだが、活字から離れるのではなく、面白くない小説から離れていってるのではないか。それが文芸界全体の凋落を招いているのではないか。そういう気がしてならない。