『蓬莱学園の革命!』

僕が影響を受けた小説家を三人挙げよと訊かれれば、田中芳樹フレデリック・フォーサイス、そして新堂十馬と答えます。田中芳樹は僕が小説を読むようになったきっかけとなった作家であり(はよ続きを書けとは言わないけれども)、フレデリック・フォーサイスは『ジャッカルの日』だけで僕の中では伝説の作家と言えます。で、新堂十馬は懐かしのPGM(郵便を用いたネットゲーム)である蓬莱学園の小説を書いていた人です。で、未だに読み返している傑作未完小説『蓬莱学園の革命』は、大人の事情によって、永遠に続編が登場しなくなったのでした。

しかし、僕は思うんですが、大人の事情は大人のネゴで何とかなるのではと。利権関係の争いというのは何かパイの奪い合いのような生臭さを感じるのですが、ゼロサムよりもウィンウィンのほうが良いでしょうに。蓬莱学園という財産を有効に活用できないのは、サービスを提供する側にとっても、サービスを享受する側にとっても不幸なことだと思うのです。
一時代を築いた作品として、今でも様々な分野(主に漫画で)での影響が見られます。最も有名なのは『魔法先生ネギま!』の元ネタですね。ハリーポッター蓬莱学園という超ウルトラCです。しかし、どうなんでしょう『魔法先生ネギま!』を蓬莱学園の正式な続編として脳内変換して、楽しむと言うのもありなのかなぁと。
それはともかくとして『蓬莱学園の革命!』なのですが、全然話が見えてきません! おそらく生徒会の秘密組織(FOG)と鉄道委員会の暗闘、生徒会長八雲睦美の卒業計画(←結果としてもう一年生徒会長することになるから、あれなんだけれども)、育郎の学園再開発計画と淡い恋が渾然一体となって、二巻に続くはずなんだろうけれども……作者の構想がどれくらいまで進んでいたかを聞いてみたいです。予想としては八雲睦美の三選までか、暴走軍事演習、もしくは宇津保島の登記&所有権問題あたりと睨んでいたのですが。