雑誌の話

ニューズウィーク
先週のニューズウィークのインタビュー集は面白かった。インタビューっていうのは、やはり紙面を割いて掲載しないと、インタビューされる人間が見えてこないみたいだ。掲載されていた人々の中で面白かったのは……昭和天皇と芸術家の人たち、それに貿易センタービルを爆破したテロリストとか。政治家へのインタビューはあまり面白くなかった、というのも立場があるからなのかな(カダフィ大佐クリントンとの友情を語るのは、シュールで笑えたけれども)。昭和天皇のインタビューは「刑事コロンボが好きと聞きましたが?」と訊いて「見る時間がない」とやんわり否定されたところが面白かった。

ダカーポ
今週のダカーポはネタ的にいまいちでした。
左派の立場から世相を語るのは難しいと思います。なぜなら、現在のところ左派は「リベラル」ではなくて「反小泉」で固まっていますし、また左派の人もそれに甘んじているからです。当然、書くことも小さくなる。
志を大きく持て、と僕は言いたい。日本が右傾化しているかどうかは知らないですが、もし右傾化しているとするならば、左派に他者を説き伏せるような「論客」がいないことに原因があるのだろうと思う。それと左派の立場からしかできない言説というものが世界には数多くあると思うのだけれど、日本の「左派」はそういうものに興味がないから困る。(やはり朝鮮や中国との「距離」で左右の色分けがなされる状況は、どうにかするべきだと思う)
それと『ニュルンベルグ・インタビュー』の書評を書いたライターは、ちょっと文章修行でもしたほうがいいんじゃないかと。近年まれに見るダメ書評でした。小泉が嫌いなのは分かるけれども、世相を語る雑誌が世相を見ていないのは(それがこの雑誌の一番の問題点だろうが)、ちょっと拙いのではないか。文芸方面の記事(だけ)が、この雑誌の売りなのに。

【SPA!】
色々手広くやってる雑誌ですが、今週は(というか毎週なんだけれど)坪内祐三&福田和也の対談と「ドン・キホーテのピアス」が面白かった。ワーストは(これも毎度のことながら)勝谷誠彦の『ニュースバカ一代』で、ホリエモン叩きよりも他に書くことがあるだろうが、と思った。スーフリの和田と堀江を同列に論じるな、と。