『ボーンコレクター』

半身不随の名探偵(探偵じゃないけれど)リンカーン・ライムシリーズ第一弾! ニューヨークを舞台に、謎の連続殺人鬼ボーンコレクターとリンカーン・ライムの対決を描く……という内容。主演はデンゼル・ワシントンアンジェリーナ・ジョリー

ボーン・コレクター [DVD]

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原作小説は買ったんだけれど読み終わることができませんでした。というわけで、序盤しか知識がない状態で鑑賞したわけなんだけれど、なんというかスッキリしない映画だった。というのも犯人の目的がイマイチ良く分からない。犯人は『ボーンコレクター』という昔の犯罪小説を元に見立て殺人を行うわけだけれども、直接的な動機はリンカーン・ライムへの復讐だったりする。でも、復讐にしてはリンカーン・ライムが犯人の計画に屈服させられるかどうか、という視点で物事が語られないのは大きなマイナスだと思う。あの犯罪計画では幾ら殺したってリンカーンが罪の意識を感じることはできないんじゃないだろうか。それに、ラストで正体を明かして襲い掛かるのも馬鹿げた行動のような気がする。死にたがっているリンカーンを殺すのはどうなの、という点と、冷酷非情な殺人鬼にしてはリンカーン相手に苦戦しすぎ。
その辺りは小説のほうが上手く書けているのではないかと思う。文庫本で上下巻に分かれる小説を二時間の映画に纏めるのは、かなり難儀なことではないだろうか。だが、ストーリーは及第点を与えられないものの、役者陣は頑張っていたと思う。デンゼル・ワシントンはさすがの名優ぶりを発揮しているし、アンジェリーナ・ジョリーもはまり役だった。それぞれのバックボーンをもう少し語ると面白さが増したかもしれない。