『ブレードランナー』

テレビで視聴。『ブレードランナー』は幾つもバージョンがあるらしいけれど、今回は普通のバージョン、そして吹き替え版。

ブレードランナー クロニクル [DVD]

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昔、NHKBSでディレクターズカット版(デッカードレプリカントと明確に示されている)を観たけれど、もう記憶も薄れていたのでとっても楽しめた。地球に潜入した六人のレプリカントを、ハリソン・フォード扮するブレードランナーがブチ殺す、という内容だけれど、退廃的なロサンゼルスの画が非常に秀逸。高層ビルに映し出される芸者のCM、無国籍な街並み、路地を歩くダチョウ、自転車、坊主、良く分からない人々。シド・ミートがデザインした未来都市に頭がくらっくらしてくる。BGMも無国籍で、終盤の長唄には本当にまいった。『ブレードランナー』がいかに日本のアニメやゲームのビジュアルイメージの源泉になっているか、ということ。
物語的にはずいぶんハッキリしない。三十年も前の映画だからスケール的な限界があるわけで。デッカードがやり手なのか弱いのかが分からないキャラなのが一番の問題点だと思う。その反面、ルドガー・ハウアーのカリスマ性は凄い。この後、B級専門のアクション俳優になってしまうのは惜しいなぁ……