『マイティ・ソー』

マイティ・ソー [DVD]

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マーベルの出鱈目神話も優秀な脚本陣でなんとか収拾つけてやるぜ!

というパラマウントの心意気が感じられる作品ですが、それでもトニー・スタークみたいな天才科学者やハルクのような科学の犠牲者、そして次に映画化されるであろう合衆国を背負ったキャプテン・アメリカの三人に囲まれて、何の因果か雷神トールが地球に落ちてきましたよ、という話。

見所は一緒に落ちてきたトールハンマーを、ニューメキシコのぼんくらたちがエクスカリバーよろしく引き抜こうとするところ。トールは神様だから、人間とは一線を画した存在なんだけれど、どんどん弱くなることで、逆説的に王としての資格を手に入れるところも良く描かれていると思う。でも、マーべルの世界観に神様は正直そぐわないだろ、と思ってしまった。百歩譲ってトールまでは許せても、三人のお供は蛇足じゃないかな〜と。あれをガーディアン戦で出すならアイアンマンを出したほうが良かったかも。

あと、ロキ!
北欧神話を知っていたら「こいつは裏切る!」と誰もが思った通りに裏切ってくれるところが、ちょっと弱いかな。でも、屈折した感情の持ち主として描かれているのは良かった。単に巨人の国に寝返るのでなくて、あくまでもアスガルドでの王座を狙うところも良い。でも、最後は悪の化身的な感じでちらっと出てきたのはどうなんだろう。

三人のお供の中では笑いながらレイピアを振るうオッサンが面白かった。浅野忠信は空気すぎる。 S.H.I.E.L.D.がかなり関わるけれども、実際は話に何の影響も与えていないよね、という感じなのは残念(やっぱりアイアンマンが出てきたほうが……)