『ドラゴン怒りの鉄拳』

ドラゴン怒りの鉄拳 デジタル・リマスター版 [DVD]

ドラゴン怒りの鉄拳 デジタル・リマスター版 [DVD]

カンフー映画のアンセム的な作品なんですが、改めて鑑賞すると非常に甘い作りでガッカリさせられる。日本統治下の上海租界で、ブルース・リーが師匠を暗殺された敵を取る、という内容なんだけれど、ブルース・リーのアクション以外がことごとく学芸会レベルだったりする。日本人が悪役になっているのは、たぶん香港統治下におけるイギリス人と中国人の関係を暗示しているからだと思うので、これで反日というのはちょっとどうかと思う。それは置いといても、ブルース・リーが敵を皆殺しにする動機が良く分からないというのが一番の難点だと思う。一応、師匠を殺された恨みがあるからなんだけれども、精武館の面々が自制心を働かせているのと対照的に、「暴力はよくない」的なニュアンスのセリフを言わせながらもやってることは皆殺しだったりする。この男、殺人鬼か。
ブルース・リーの役は、中国人の荒ぶる魂を表現するところにあるから、これはこれでいいのかもしれない。日本人道場主、助っ人ロシア人共々、ブルース・リーのアクションについていけないところが最大の弱点か。当時、ブルース・リーと戦うことのできるアクションスターは皆無だったことを考えると、もっと脚本にアイデアを入れたほうが良かったのでは? と思う。とりあえず爆笑ポイントとしては、まんま内村光良ブルース・リーの電話修理業者。本当に内村光良スゲェw と思うくらいソックリ! でも、ブルース・リーの演技は最低だ。アクションは極まっているけれどね。